海の近くを走っている志度線も海と電車を一緒に眺められる場所は数少ない。そんな数少ない海沿いの区間、有名な「房前のカーブ」に良く通った。ほんの5年程前までは琴電といえば「動く電車の博物館」僕ら釣り掛けマニアには一種の聖地だった。それが、あれよあれよという間に新性能化され、現在は動態保存として残された、たった4両だけになってしまった。この志度線では旧型車が全廃され、この区間を釣り掛け電車が走ることはもうない。車輌は元京浜急行の230型。東京湾の海沿いを疾駆した老雄も、余生は瀬戸内の潮風を浴びながら過した。そもそもこんな昭和一桁生まれの電車が2007年まで走っていたのだから、琴電てのは凄いところだったんだと今更ながらに思う。初めて高松を訪れたのが2001年の夏だから、後発のほうだと思う。旧型電車も大分整理されてしまっていたが、それでも全線で釣り掛け電車が走っていた。いっぺんに魅了されてしまった僕は以後毎年2~3回高松に通うことになる。それは2007年の27+28引退まで続いた。2007年の夏、この京浜急行の電車が引退したのを最後に、僕は琴電を訪れていない。昔懐かしい釣り掛け電車の「普段着の姿」がもう過去帳入りしてしまったからだ
2010-01-28 12:33:22 +0000