企画元:ポラリスの英雄歌様【illust/80979654】
「知ってる?
考輪ってさ、話したいから、大きくなるんだって。」
◆ミミリ=リン mimili=rin
運命数0/白雨国/50pt
skill:考輪4
ぼく/君
前期 20pt【illust/82787238】
運命数該当により死亡いたします
リン族【1期参照】
考輪:こうりんと読む。テレパシーできるわっか(広義的)。
好きな人を好きすぎると結晶ができたりする。病判定。
◆素敵なご縁をいただきました!
リュエン・ヴァクセンさま【illust/83888162】
(きみ、今の聞いていたのか!?)
毎月楽しみにしている文芸誌。半分ほど読み終えて、読了感に浸る。
読者投稿か、なかなか綺麗な文章を書く作家だったななどと心の中で呟いた。
彼が聞いていたなんて、思いもしなかったが。
油断しているリン族の考輪なんて、誰もいない自室で大きく独り言を吐き出しているようなものだ。大きな音を出して座っていた椅子ごとのけぞった。
いったいいつから聞こえていたんだろう!
***
(きみの文は読んでいて心地いい。
不思議だな、こんなにきれいな文を書くのに知ってる人が少ないだなんて。
ああでもそうか、じゃあきみの一番のファンは…今確実にぼくになる訳だな?)
(なんだよ!!白雨国では長命種なんて珍しくないだろ!!
乙女の年齢聞いてそんな顔するなー!!)
(リュエン、リュエン、ちょっと話を聞いてくれないか。今日診た患者の症状が珍しくてさ…)
(きみ、へえ。そんな瞳をしていたのか。嬉しいな、こっちの方が話しやすい気がする。
恋愛小説はあまり読まなくて…こういう時なんて言ったらいいかよくわからないんだけどさ…。
うーん、うん、飾らなくて、いいよね?あのさ、これからもよろしく。リュエン。
…なんだか、照れるな。もうどこを見て語りかければいいかわからなくなった。
ちょっと恥ずかしいから離れていてくれ…)
(きみとこうしている時間があればいいよ。
ずっとさ、続けばいいのにな。)
ーーー
ぼ、ぼくの全て。だって??そんな。えーっと。顔が熱い。そんな風に言われたの初めてで。えっと。
(ぼ、ぼくで良ければ。ぼくもきみとずっと一緒に…いたい)
ころん、と音を立ててきらきらしたものが床に落ちた。
水色のような、薄緑のような宝石。
これは噂に聞くリン族の結晶。
何かを好きになりすぎると…何かのことで頭がいっぱいになってしまうと溢れる感情の結晶。
リン族ではまあ…愛が重い、と評されるあの。
綺麗ですねと手に取るリュエンを必死に止めた。
(あ、あああそれ!!!!触っちゃだめ!!!!!)
きみにはもう、調子が崩されてばっかりなんだ!
ーーー
なんだろうって思ったの。
黒い何かが目の前を横切って…。あれが患者さんが言ってた影かと思って…追いかけたんだ。
そうしたら、そこを縄張りにしてた動物がいたみたい。姿も確認できないうちに背中が熱くなって、…もう覚えてない。きみのところまでは通りがかった傭兵さんが運んでくれたんでしょ?
痛くて痛くて目を覚ましたらきみが必死な顔してて。
心配して欲しくなくて、そんな顔して欲しくなくて、頑張ってそう言おうとしたんだけど、背中、熱くて。
ごめんね。もっと心配させたと思う。
ああもうだめだと思ったの。そうしたらふっと体が軽くなった気がした。
きみの薬が効いたんでしょ?ありがとうね、きみ、やっぱりすごいなあ。
(ごめんね、こんなお別れで。ずっと一緒にいたかったなあ。
全部あげるって言ったのに…。…ううん、いいや、このあとも持っていて。ぼくが生きた証…、君が、持っていて。
…はあ、…話したいことまだまだあるなあ。ね、ふたりのことよろしくね。
ずっと、ずっとだいすきだから、リュエン。また、ほん、かいたらよみたい、な──)
きみが全部、覚えていてね。
ぼくが生きたこと、きみの心に積もっていてね。
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◆続投です。よろしくお願いいたします!
・メッセージ送受信状況はキャプションに明記します。
・子世代に一族の特性を引き継いでいただける場合は解釈等ご自由にしてくださって構いません。
◆不備がありましたら教えてくださるとたすかります。。
2020.1025
2020-08-29 18:29:30 +0000