「ぐぁ…ッ。な、なに? 体が重い?!」
まさに、重力が変化したかのように、るなの身体が地面に押し付けられているような感覚。
「こ、これは?!」
足元に目をやると、地面にうっすらと魔方陣が浮かんでいる。
「ま、魔法? しまった…」
慌てて周りを見渡す、るな。
離れた木の陰に杖を構えたゴブリンが1匹。
(あの姿…まさか、ゴブリン・シャーマン?!)
知識としてはあったが、実際に目にするのは初めてだった。
ゴブリンの中でも知力が非常に高く、魔力を操る事の出来るゴブリン…
「くっ…私としたことが…」
自分の失態に唇を噛む、るな。
そうしている間にも、身体はどんどんと重くなり、立っているのすら困難な状況になってゆく。
2020-08-16 16:39:32 +0000