焔飾成立記念絵と数年後のちょっとした雰囲気漫画です!
◉お借りしました!
焔朱さん【illust/82778985】
◉自宅
飾【illust/82672892】
素敵な作品いただきました!本当にありがとうございます!→【illust/83426303】
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今日も人が集まりそうな場所で飾は個人屋台を営業中。食事処が休みの日に出すそれは料理の美味さもあるが、飾が決めた特別ルールによって屈強な者たちにそこそこ人気の屋台になっていた。
特別ルール:「飾に勝てたら食事代はダダ」
飾本人が体を動かしたいが為にこれなら相手側も乗ってくるだろうと思って付けたルール。これが意外にも好評で泣きを見る日もあるが定着したものである。
さぁ今日もかかってくるがいいと息巻きながら料理の下ごしらえをし、呼び込みをしていると獣人属であろう白い虎の青年がこちらの声が聞こえたのかやってきた。
屈強な者たちを相手にしてきた経験を持つ飾は今回は余裕そうと屋台の特別ルールを持ちかけた。
(しめしめ…この雰囲気、私がか弱そうな女子だから手加減してくれそうな感じだ…食活細胞フル活用でびっくりさせちゃお!)
「よーし、じゃあ勝負しよう!君が勝ったらタダ!ちょっと私は準備があるから待っててね!(大量の肉まんや焼いた肉を食べ始める」
この時飾は気づいていないが、勝負の前に大量の食事を摂る姿を見せたせいで警戒され、あっさりと負けたのだった。
「えーー!!なんで!?瞬間火力だけなら負けない自信あったのに……体質のせいで一発勝負しかできないんですぅー!!当たれば強いの!当たればの話だけど…」
「えー、勝てると思ってたから本当悔しい…あ!そうだ!!道中のご飯は私が作るから修行させて!!!技教えてよ、私剣術は諦めちゃったけど強くはなりたいの!おねがい!」
「焔朱はこう……うん…感覚が野生だからちょっと私にはわかりにくいかな!!(フォローしているつもり)
でもわかるまでついていくよ!野生のカンって…戦いにおいて大事だし…?それに私のおいしい料理がいつでも食べられるって最高でしょ?」
こうして焔朱と名乗る青年の胃袋を掴み、修行に付き合うという約束を(勝手に)取り付け飾りは焔朱のゆく先々についていった(食事処は頻繁に戻れないので辞めた)
「くっ…焔朱強い…。先読みなんてズルい…私だって腹に一発当てればみんな沈黙するのに…アッ!!ムコウニ、ブタノマルヤキガ!!!!」
「ガツガツ食べるのはいいけどたまにはお上品に食べる事も大事だよ!あとお肉ばかりじゃなくて果物や野菜も…ってもう食べてる!まぁ今日も元気みたいだしいっか!…食べなくていいわけじゃないからね」
「カザリはスゲーな」その一言で飾の中の何かが動いた。
飾は当たり前のことをやっているという認識にすぎなかったが料理の腕前に対しての自己肯定力は高いものの、人に認められることはあまりなかった。
そこからか焔朱に対する強さへの憧れが次第に恋に変わっていった。
「どうしよう…焔朱がきらきらして見える…食べる姿も狩る姿も修行してくれる姿も…どうして……もしかして目の病気…?」
「じゃーん!焔朱どう?オシャレしてみたんだけど……反応薄い!!そこは綺麗だねって言うところ!!
もー……いや、なんか…素がいいって言われちゃうと…なんだか照れちゃうな…ごにょごにょ」
「焔朱あのね、料理人は手が命なの。その手の爪を君色に染めるということは私の命を君にあげるってこと……で……えーーーーと、ま、まぁとにかくそれぐらい君が好きってことだよ!焔朱!
…うーん爪を染めるのは昔からの夢だったんだけどちょっと言いぐさが今更ながらに重い気が…」
「焔朱、だーーーい好き!!」
「今度さ、焔朱と屋台商いたいな。焔朱が食材担当で私が料理接客担当。で、勝負が好きなお客さんとやりあったり商いが終わったら二人でご飯食べて修行して…あはは!いつもと殆ど変わらないや!でもそれが一番幸せでいいんだろうね!」
今日も二人がいる場所にはいい匂いが漂っている。
2020-07-22 12:39:20 +0000