「死相が見える。渇望が見える。相容れぬ魂達がここにもうひとつ、もうふたつ。」
「キミは……誰……?」
「ふふ、はじめまして。私はあなたの死の影。もうすぐ消え逝く魂を、迎えに来たのよ。」
「迎えに来たって……死の影さんは、僕に何をするの……?」
「そうね。魂の在り処が狂わない様に、混ざろうとする魂を切り離してあげるとか……かしら。」
「それって、切り離された魂はどうなっちゃうの? 僕は、僕は、ニセモノだったとしても……」
「魂は意思に宿る物もあるわ。生まれ方の違いなんて些細な事よ。」
「でも、あなたのその器に宿れる魂は一つ。だからあなたは、あなた達は、何を選び取り、何を手放してゆくのか、見届けたくなったの。」
「しかし、目覚めようとするあなたは、一度己の意思に命を捧げた者。二度目の奇蹟が欲しくば、私との『取引』が必要よ。」
「でもそうね、冥土の土産にあなたの中のもう一人のあなたと会わせてあげる位なら、何も差し出さなくてもいいわよ。喧嘩ぐらいは好きになさい。」
「僕は……僕は……」
――――――――――――――――――――――――――――――
【レプリカ:illust/82445663】の同時かそれ以降の話。
とある理由で、ナラスタエルはアフター時間軸のランドヴェルグには用事が無い限り姿を現さない様にしていました。今回セウくんから死の気配がするのを感じ取って例外的に出現しています。
セウ君の精神世界に居る様な描写ですが、セウ君とエコーセウ君の魂の行方に関わろうとする者にだけは姿が見えます。
関わらない場合は見えません。
今回ナラスタエルがやろうとしてる事は、主に
・本人たちが望むのならセウ君とエコーセウ君の魂を正しく切り離す事。
・切り離した場合、器に収まらなかった方の魂を送る事。
・何か取引があれば応じる事。
の3つです。
切り離した場合は、魂を送る前にあの世とこの世の狭間でセウ君とエコーセウ君が対峙する事が出来ます。
――――――――――――――――――――――――――――――
お借りしました
セウくん:illust/80237388
展開を強制するものではありません。
何か都合が悪かったらパラレルやスルーなどにしてくださって大丈夫です。
問い合わせくだされば対応します。
最期まで見届けたい死神:illust/78965835
2020-06-21 23:18:23 +0000