営業終了後
タイちゃんギンちゃん・本店にて…。
「う~ん……参ったな……」
「タイリクオオカミどうしたの??」
「完全に見抜かれたかもしれない……」
「見抜かれた?」
「初の試みとして、隠し味にコーヒーを使用したのを……」
「あ~、2号店と差を付けるために使ったんだよね!なかなか悪くないと思う!」
「あの時のブラックジャガー、“これは大収穫だ”と言いながら嬉しそうに食べてたな……」
「へぇ~、ブラックジャガー来てたんだ~、温泉行ってたから全然気付かなかったよ!」
「もしかして、彼女は勘が鋭いのか、それとも舌が良いのかな……」
「あっ、そうそう!ブラックジャガーはああ見えて味見担当内での評価は高い方だよ!」
「えっ……?つまり……!?」
「タイリクオオカミの言う通り、ブラックジャガーは舌が良いんだよね!」
「そっ、そうだったのかっ……!!」
「というか、ブチハイエナから“絶対味覚の持ち主”だと評されてるくらいだからね!味見担当内で他にいないよ!」
「絶対味覚……!?」
「本人は全然自覚してないんだけど……料理の中に何が含まれてるのか、どの調味料がどれくらい使われてるのかが食べただけで分かるんだよ!」
「じゃあ……一度食べただけで同じものが作れるとか……??」
「ブラックジャガーだったら、多分作れるんじゃないかな~」
「えぇ……まさかの絶対味覚の持ち主だったとは……」
「ブラックジャガーパークの件で色々言われちゃってるけど、味見の腕前はとにかくスゴイんだよ!ブラックジャガーって!」
「こ、このままじゃやばいぞ……2号店は一体何を企んでるのか……」
「ほら、そうは言っても2号店はまだまだ勉強中だと思うしさ、味の秘訣を見つけ出したんじゃないかな?」
「そ……それがやばいんだって……2号店の方がますます人気出ちゃうんじゃないか……!」
「だからタイリクオオカミ、考えすぎだって~」
「ブラックジャガーが口にしたことのない調味料を隠し味に使うしかない……そうやって試行錯誤だ!ジャッカル!!」
「いや、ほんと考えすぎだって……」
「タイリクオオカミ~……」
「ん?キタキツネ、どうしたんだい……?」
「磁場を感じるカレーは……」
「も、もうちょい待っててくれ……」
2020-06-11 20:52:31 +0000