◆ー死んだらあなたと繋がれる。(illust/81100539)
◆ー美作 胡桃 ミマサカ クルミ
18歳/160cm/女/一人称:私 二人称:君
◆ー不幸だけどいつも楽しそうな少女。オカルト研究部部長を一人務めている。
◆ー素敵なご縁がありました(6/21)
梔子 影一さん(illust/82172158)
「嘘……、ほ、ほんとにいた……!」
夏の昼下がり。ありふれた怪談を耳にして訪れた旧校舎。その古めかしい教室に1人佇む見目麗しい男性……否、幽霊が居た。夏にも関わらず厚着で、涼し気な顔。その人は窓越しの夕焼けを背に、驚く私を見据えている。
私はしばらく目が離せなかった。
---
「くちなし……かげひと、さん?……うーん、じゃあひーちゃんで!かわいいし!……ダメ?」
とか言って首を傾げてみる。
どうやら戦時中に亡くなったらしい彼は、私からしてみればとんでもなく昔の人。その為か、私との会話に少々ギャップがあるみたい。でも彼の話はどれも興味を引き、幽霊である彼と共に過ごせるのは願ってもないことだった。
……でも、最近また周囲からの視線が妙に刺さる気がする。
---
「守る」、だとか「伴侶」だとか、初めて言われたものでどういった反応をするのが正解か分からなかった。
ただ、
「や、やだなぁ〜!照れる〜!」
なんて、少し有耶無耶にしてしまうことしか出来ない。彼が冗談で言ってないことは分かっていたはずなのに。
誰かから久々に受ける優しい言葉の数々。私が彼に対して決して綺麗とは言えない感情を抱いたのはこの時からだった。
---
(ひーちゃんが死でて良かった)
最低だ。不謹慎極まりない考えが頭をよぎる。でももし彼が戦争を生き延びていたら?他の女の人と幸せになっていたのかもしれない。そう思うだけで自分の胸の奥深いところで何かがドス黒く渦巻いた。
父親の愛を受けられなかったからだろうか、周囲から好意を抱かれなかったからだろうか。私は存外、独占欲が強いらしい。こんな醜い自分、彼が知ったらどう思うのだろうか。
---
『冥婚』。とある日本伝承の本の一項にあった。いつもどうしていいか分からず、冗談混じりに彼の言葉を躱してきた。とうの昔に私が本当はどうしたいのか知っていたはずなのに。
私は彼に微笑んだ。
「私、実はそんなに綺麗な人間じゃないんだ」
どうか幻滅しないで、そう願いながら。
「ひーちゃんが好き」
でも心のどこかでは確信しているのか、案外穏やかに。だって、
「それはもう、自分でもびっくりするぐらい気持ち悪い独占欲に侵されちゃうぐらい」
それでも、
「それでも、」
彼は綺麗だと言ってくれるから。
「私を彼岸へ連れてって、くれないかな」
◆ー交流について
のんびりめな交流になることご了承ください。既知等も大丈夫です!twitterについては聞いていただければお教えします。
問題等あればお手数ですがメッセージの方へお願いします。
キャプション随時変更します。
2020-06-08 05:02:09 +0000