出羽国酒田、最上川の河口に鯨が打ち上げられた。背中に「安隆寺」と読める文字があり、腹から仏具や草鞋を履いた人の足が出てきた。探してみると、酒田に同じ名前の寺があり、ここの坊主は船が難破し水死していることが分かった。安隆寺の坊主は強欲で、恥知らずで我儘な性格であったと知られ、この鯨はその坊主が成り代わったのであろうとされた。その為肉も油も取られず、そのまま打ち捨てられたという。
2020-05-28 13:57:50 +0000