幻想郷すら拒絶する幻想。
辛うじて夢幻の淵に留まっているものの、その場から離れる事が出来ないのでそこの主になりつつある。
そんな彼女が幻想の成れの果てとなってしまった理由は紅霧異変の時であった。
紅魔館からそう遠くない、霧の湖で手掛かりを探していた時のこと。
今はそこは存在していないが、本来必要でなかった湖の一部を賢者が異常(バグ)と見なして彼女諸共削除し、別の空間へと埋め立ててしまったのである。
そのまま消えても、彼女の周りには人妖を問わず誰も居なかったので気づかれなかったのだ。
削除された物質はもしもの時のために仮置きされて居るが、賢者が存在を忘れているため一切手を付けられていない。
不遇な彼女は虚空に響く自らの演奏に正直な感想を述べるのであった。
2020-05-08 07:16:30 +0000