【恋異世】ローワン【2期】

mituki
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此方【illust/78513489】の二期、一人目です。どうぞ宜しくお願い致します。

◇ローワン・モンテイル Rowan=Mengtale
 年齢:32歳 /性別:男性 /身長:176㎝(精霊の姿:216cm)
 種族:精霊と人間の混血
 職業または特技:画廊喫茶『クルタ・ラナ』店主、手風琴の演奏
 一人称:俺 /二人称:貴方、君、お嬢さん

ホワイトタウンで画廊喫茶を営む男性。
町中へ移った喫茶店ではカデットブルーラグーンを筆頭に各地の美しい景色を描いた絵画が壁を彩り、時には店主の奏でる手風琴の音色が響く。
賑やかな町並みに隠れた喫茶店での穏やかな時間に惹かれ、足を運ぶ者も少なくないという。

◇補足・設定まとめ【novel/13325508

◇猫の手求人
【内容】材料の仕入れ、調理の手伝い、給仕など
【報酬】ケーキセットまたは軽食セット

◇家族
 父:トロイメライ【illust/79946972
「父さんからは沢山の事を学んだけれど、俺が一番影響を受けたのは心の在り方だろうな。
 ありふれた世界の一場面だって、その目に映れば輝きに満ち溢れているんだから。
 美しいものを見出す為、自分の足で何処までも駆け抜ける。そんな生き方が、俺は好きだよ。
 絵画の場所の全ては教えて貰えなかったけれど…俺も、俺だけの特別な景色を見つけたいな」

 母:マグノリア・モンテイル【illust/80084219
「この店は母の悲願でね。曾祖父が存命のうちに、何としても再建してみせたかったそうだ。
 店名に相応しい志を継ぎたかったのだと、笑って話してくれてね。俺も続こうと思ったんだ」

 兄:パストラル・モンテイル【illust/81232064
「明るくて気さくな人だよ。深海でもあの人の周りだけは晴れ渡っているかのようでね。
 それでいて、ふとした時に此方がどきりとするような事を言うんだから。侮れない人さ」
「そんなに勢い込んで来なくても、兄さんの作ったものなら喜んで頂くよ。…うん、美味しい。
 兄さんの作る甘味は何だかきらきらしていて…幸せの味って、こういうのを言うんだろうね」


◇素敵なご縁を頂きました。婚姻ありがとうございます!
 ローズピンククラウドのカナフさん【illust/81262305

 幼い頃は喫茶店へ連れて来られる度、壁に飾られた絵画を飽きずに眺めていたものだ。
 猫の手求人の募集を出したのも、より多くの人にあの感動を味わって貰いたいが為だった。

「今日はお手伝いありがとうございました。初めての給仕は大変だったでしょう?
 お客様からは、可愛らしいお嬢さんの頑張る姿に笑顔を貰えたと好評でした。
 此方は報酬のケーキセットですが…貴方には、珈琲は少し苦みが強いかもしれませんね。
 宜しければ此方のバニラアイスをどうぞ。珈琲に入れると程よく優しい甘さになりますよ」

 求人を見て訪れた天馬の少女が、気まぐれに顔を出しては店の手伝いをするようになった。
 幼くも見える可憐な容姿。くるくるとよく変わる表情。楽しいものに惹かれ易い性質。
 何処か身に覚えがあるその姿は、好きなものに正直に生きる様は、眩しい程に輝いて見えて。
 長い間自制しようと躍起になっていた拘りも、些細なものと思えるようになっていった。

 地上に降り立った小さな天使は両翼を得て空高く飛翔し、天空の城へと帰っていく。
 周囲の喜びを糧に生まれる一対の翼は、空間が幸福で満ち溢れている確かな証だ。
 喫茶店が心地好い場所として受け止められている事を、喜ばしく思うべきなのだろう。
 何時しか見送る心は揺らぎ、遠く小さくなりゆく姿に複雑な心境を抱くようになった。

「空に浮かぶ紅雲の町で生まれ育った君には、地上のあらゆるものが物珍しく映るだろうね。
 俺も生まれ育ちは碧海の町だからね。陸にしかないものに惹かれる気持ちも分かるよ。
 幼い頃は島の端から端まで駆け巡って、面白いものを探す生き方に憧れた事もあるさ。
 いや、流石に今はそんな事をするつもりはないよ。俺ももういい歳した大人なんだからね」

(兄さんと一緒に走り回って、父さんに楽器や魔法を教わって、母さんのお菓子が楽しみで。
 子供の頃は毎日が楽しくて、輝いていて…俺は、どうして大人になりたいと願ったんだっけ)

 小柄な少女に手を引かれ、立ち止まりかけた足が前へと進む。一歩踏み出す度に心が歌う。
 一度晴れやかな気持ちで駆け出してしまえば、まるで子供の頃に戻ったかのようで。
 奏で続けていた旋律に、忘れ去られた歌詞が戻って来たかのような心地がしてならなかった。
 今の自分と同じくらいに昔の自分も好きなのだと、今なら胸を張って言える気がした。

「空へと帰る君を見送る度に感じていたけれど。やっぱり俺は、大人らしくなんてなれないな。
 カナフ、君はその翼で何処へだって翔んでいける。自由に空駆ける君を見るのが好きだ。
 けれど地上に引き留めておきたいと、子供っぽく願った事も一度や二度じゃないんだよ。
 飛び立った君の帰ってくる場所が、この店であればいいのにと…心から、願ってしまうんだ」

 ***

「俺はずっと大人になりたかった。忘れていたその理由を、最近ようやく思い出したよ。
 俺だけの運命と出会う事。大切な人と共に、世界の楽しいものに向かって駆け抜ける事。
 両親の描いた物語と、喫茶店を彩る絵画に憧れた…子供心に見た夢の、はじまりの詩さ。
 旋律を追う事ばかり躍起になっていた俺に思い出させてくれたのは、他でもない君なんだよ」

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2020-05-07 14:43:39 +0000