「さぁ、帰りましょ」
夕暮れ時の学校からミオが帰路に就こうとしている。いつもの道を通り、いつも横切る公園に差し掛かった時…
「あらっ、何かしら?」
ミオは公園の塀際に置かれた1体の人形に気が付く。
「何だろう?でも、ちょっと可愛いかも…」
ミオは、その人形を手に取ってみる。思った以上に可愛らしい。そう悦に入っていると…
『私に従いなさい…』
「えっ!何、これ…?」
突然、ミオの頭に声が響く。
『私に従いなさい…』
「私に従って、って…あぁ…何で…急に意識が…」
声が響くたびにミオは虚ろになっていく。
『私を運びなさい…』
「…分かりました…ご主人様…」
そう呟くとミオは人形を抱えたまま、家とは違う方向へ歩き出した。暫くしてミオが辿り着いたのは、薄暗い1軒の屋敷であった。
『ここでいいわ…』
「…はい…ご主人様…」
玄関ホールの前でミオは立ち止まる。すると人形が光り輝き徐々に大きくなっていく。光りが収まると、1人の女性が立っていた。
「ご苦労様。ようこそ私の屋敷へ。私はマリー。貴方は?」
「…はい…私はミオ…ご主人様に仕えるメイド…そして…ご主人様の「お人形」です…」
虚ろになりながらミオは答える。その身と心はマリーに支配されつつある。
「いい答えね。なら、最後の仕上げ。しっかりメイドにおめかししてあげるわ。」
マリーはそう言うとカチューシャを取り出した。カチューシャはまるで意思があるかのようにひとりでにミオの頭に着く。するとミオに変化が起きる。身に纏った制服が青色のメイド服になり、緑のショートヘアーが赤髪のロングヘアーへと変わっていった。
「どうかしら?」
「…とても可愛くて素敵です…これで私は…ご主人様の「お人形」です…この身も心も全て…ご主人様に捧げます…」
笑顔でミオが答える。身も心も完全に支配されマリーの「モノ」になっている。
「はい!今日はここまで。さぁ、ミオ。人形に「戻りなさい」。」
「…かしこまりました…ご主人様…」
そう答えると、ミオの体が光に包まれ徐々に小さくなっていく。光が収まると1体の人形が宙に浮かんでおり、マリーがそれを受け止める。
「ご苦労様。フフッ、いい子ね。」
そうマリーは目を細めて微笑んだ。
人形化ならありがちだと思う洗脳の様な要素を盛り込んでみました。どういう風にするかは決めてないですが多分続きます。お友達が増える方向になると思います。
2020-04-16 13:35:46 +0000