灼熱の砂地か、体感温度の低い雪の大地に少数の生態が確認されている不思議な生命体。ブヨブヨとした軟らかい体は周囲の熱や冷気を集約し取り入れて保持されている。体内には集音器の役目もする2つの心臓が勢いよく活動しており、左心・右心と呼吸する度に表面にある突起物が動く。熱を吸収する種は昼間のみ行動、夜間は気温が低くなる為に体が萎縮し、冷気を吸収する種は夜間のみ行動、気温の上がる日中はやはり体を凋めて休んでいる。その事から気温の変化に敏感な生物である事は実証済みだが、行動については未だ謎の残る部分が多い。忌々しい他の怪物とは異なり、人間が接近しても警戒する事もなく、眠っているか目覚めていても無反応の場合が多い。しかし一度怒らせると体内の熱や冷気の少量を使い火の玉、氷の玉を放射する。少量のエネルギーといえどもその威力は人は人はもちろん、村や街までも壊滅しかねない程だという。壺の蓋の様な器官はこのモンスターの唇みたいなもので決して別の場所へ飛んでいってしまう事はない。また目の下にある口に見えるシワはどんな体勢をとってもこのままである。穏和だが体が巨大で足はあっても、殆ど移動する事はない。その為、旅人からは“丸い壁”と呼ばれ邪魔扱いされている。
2020-04-14 21:08:37 +0000