歪斗「pixivファンタジア Age of Starlight」【illust/78509907】
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「お前、天羽人なのか」
その一言ですべてが変わった。
ブルーム・ギアは乗り手の生体エネルギーを力とする。
生体エネルギーは、種族によって波長が全く違う。
昔、ギアをまったく動かすことができなかった時、使ったのは汎人族用のグリップだった。
本人も含めて誰もが、彼が翼を失った天羽人だなどと思いもしなかったから。
今、アンチェインの格納庫を引っくり返して見つけ出した有翼種族用のグリップを取り付け、ユーヤはブルーム・ギアに跨る。
固唾を飲み、グリップを握り、力を込める。
反応した。
あの日微動だにしなかったギアが、鳴動した。
──行ける。
グリップを手前に捻り昇降舵を限界まで機首上げに切り、力を、念じながら、力を込める。
「飛べ」
そして。
凄まじい加速が生み出す衝撃が顔面を叩きユーヤは一瞬意識を飛ばした。
即座に覚醒し、頭を振り目を見開いた時。
ユーヤは、空に居た。
蒼。
広がる蒼。
重力から解き放たれ、風を切って前へどこまでも前へと進むその感覚。
「う」
知らず、唇が開いた。
胸に膨れ上がった激情が、行き場を求め気管を駆け上がり声帯を震わせ飛び出ていく。
「うぁあああああああああああああああああああああああああああああああぁ！！！！」
空を飛んでいる事実への興奮と悲願を果たした歓喜と、それらが混じり合って咆哮となって少年の喉から迸る。
翼を奪われながら空へ戻った天羽人の。
尊厳を奪われながら今、重力からすら解き放たれた奴隷の。
それは、魂の咆哮だった。
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タイトルに心当たりがある方、すいません見逃してください。ご明察の通りソレです。
前回【illust/80394560】の経緯を経て、ようやくここに辿り着きました。
画像は、空を飛べるようになった後、アンチェインの封じられし者への攻撃隊へ参加しているイメージです。
■自キャラ
“口裂け”のユーヤ【illust/79252747】
■所属
強襲陸艦アンチェイン【illust/78952968】
■ブルーム・ギア設定小説
魔法の箒のエトセトラ【novel/12294327】
2020-03-28 19:22:07 +0000