暴れ回る巨大な腕の元へ向かう道中、再びギムレが一体、目の前に立ち塞がる。
「くそっ、お前の相手をしてる暇は俺には無いんだよ…!」
相手を鋭く睨みつけたその時、マグナ団長の竜郡石の共鳴によって
入団時に渡された鉱石からエネルギーが溢れ…身体に流れ込んでいく。
「俺の前に立ち塞がるなら…神だろうが何だろうが容赦しねぇぞ!!」
そう叫び、アインは己の魔眼を発動させる。
本来ならば高次元の…神に近しい存在に効くはずの無い力だが、
鉱石に込められた恩恵の顕現により…それを可能にした。
魔眼の影響を受けたギムレは一瞬怯むが、
“門の向こう側に存在する怪物”から不要と判断されたのか
目の前の個体から意識が途切れ…その身体は
操る者を無くした傀儡のように動きが止まった。
すかさず、アインは自分の中にいる悪魔の力の一つ…
相手の身体に溶け込む力を発動させた。
…しかし、アイン自身はギムレの身体には入らなかった。
『…ハハハッ!俺の力を支配する位の気迫で使えとは言ったが、
神とか言われる相手を操ろうなんざ大胆な事するなぁ!』
ギムレの身体を使い、アインの中に居た悪魔が笑いながら喋りかける。
「只でさえこんな状況で、形振り構ってられる訳無いだろうが」
『ハハッ、そりゃそうだわな。でもまぁ…そのお陰か、
今のお前なら…魔眼の事はもう大丈夫そうだ』
そう言いながら悪魔は、ギムレの身体の使い心地確認するかのように
身体を動かし捻ってみたりしていた。
「それはどういう…」
『そのままの意味だ。お前はもう自分で力を制御出来てるから、俺はもう必要無い。
そして俺はこうして俺は新しい身体に手に入れた。最高の展開じゃねぇか』
ご機嫌な悪魔は嬉々として言葉を重ねていく。
「でもまだ俺は」
『まだ問題が終わった訳じゃない、だろ?
分かってる分かってる、愛しい恋人の所に行かなきゃいけないもんな!
…俺はお前を気に入ってるからな、まだ暫く付き合ってやるよ』
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時系列としてはこちら【novel/12593922】の後になります。
・アインの中に居た悪魔はギムレの身体に移った為、アインの目は本来の姿に戻りました。
・悪魔については、身体こそギムレですが時空間転移等の高次元魔法は使えません。
守護石『黒金剛石』
石言葉:征服・パワー・吸収・自信・革新・消滅・誕生・全要素
(今回はこの中での征服の力が魔眼の力と合わせて発動してます。)
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最後はカッコよく決めたくて勢いで描いちゃいました!
2020-03-28 16:27:40 +0000