君に愛/逢いたい。【illust/79337896】
参加させて頂きます!
○町野 百次 -マチノ モモツグ-
20歳 / 170cm / 男 / 尋ね人
一人称 : 私 / 二人称 : 貴方 〜さん
好き : …… / 嫌い : 揉め事
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九十九日、毎日欠かさず逢いに来て下さい
貴方の望みを叶えましょう
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難しい病を患っており、
近々手術の為に外国へ発つ事が決まっている。
それは明日から数えて丁度、九十九日後。
手術が成功する確率は低い。
身内にとって重荷でしかない自分にほとほと
嫌気が差している状態。自らの存在に価値を
感じる事が出来ないでいる。
相手に無茶な要求をするのもそのため。
此方に構っている暇があったら、もっと違う
有意義な事に使えばいい。
貴方がそれに気が付くのはいつだろう。
本当は心の何処かで、また明日も逢いに来て
くれるのではないかと、期待してしまっている
自分にも気が付いている。
……百日目、逢えたら、その時は。
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💕素敵なご縁に恵まれました!
私の価値、幸せの理由
佐々木 マヤさん【illust/79733918】
(佐々木さん→マヤさん)
私は待っていました
ただ一人の、特別な貴方を
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医者達は重苦しく口を開いていた
手術の予定は滞りなく、私は長くはないと
本当は少し、安堵しています
本当はずっと、屍のような心地でした
九十九日後、私は何処にもいない
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桜の舞う中、貴方は私の前に現れました
長い髪がふわりと揺れる、美しい人
意志のこもった強い視線が私を捉え、
腫れ物扱いではない、同情でもない
ただひたすらに私を、鮮やかなその目で
……そう、私はいつもより少しだけ、
浮かれていました
久々に外の空気を吸って
空は澄み渡り、日差しは暖かく
綻ぶ桜が綺麗で、そして、
煩わしい私は消え失せる
だからでしょう、どこか高揚していて
ふわふわとした心地のまま、
今にも彼女を追い返そうする付添の方へ
下がって貰うよう声をかけていて
呆気にとられている彼女へ向かい、
にこりと微笑みかけました
そんな目をしてまで、私などを
探していたという貴方と、最期くらい
話をしても良いのかもしれないと
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ええと……そうです、
家に頂き物の美味しいお菓子があります
私一人ではとても食べきれないので……
この後、時間はありますか?
私は…町野、町野百次と申します
ふふ、よろしければ私とお話し致しましょう
いかがなさいますか、「ささきまや」さん?
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本当は一度きりのつもりでした
でも貴方が、必死な目をするものだから、
つい、あのようなことを言ってしまった
家の者が調べたところによると、
あの方はいわゆる芸能人と呼ばれる方で、
詳しくは知りませんが、とても忙しいと
となれば、彼女がここに来る事は、
もう……無いのでしょうね
……そうだ、もう少しお土産を持たせて
差し上げるべきでした
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予想は外れ、貴方は律儀に逢いに来ます
思うよりずっと忙しいでしょう、大変でしょう
それなのに、そんな素振りは微塵もありません
初めて会ったあの日でさえ、到底無理だと、
だからこそあのようなことを投げかけたのに
毎日逢いに来て、だなんて、試すような
それでも貴方は、当たり前であるかのように
楽しそうに嬉しそうに、私に逢いに来ては、
私に話しかけて、笑いかけました
貴方は……、………、
………変わった、人ですね
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家の者たちは、身内だからと情けで
優しくしてくれているのでしょう
その暖かさを、受け取るのが恐ろしい
どんなに考えても一つとしてありません
私には、返せるものが何もない
そのような私に、逢いに来る価値など
見いだせる筈もないのに
ああ、ああ、だというのに私は、
明日も貴方を、願ってしまっている
明日も貴方に、逢いたくてたまらない
……貴方が逢いに来て、今日は、
何日目……だったでしょうか
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手術のことが、貴方に知れてしまった
隠し通したいわけではありませんでしたが、
積極的に言いたいとも思いませんでした
小さな、見栄だったのかもしれません
貴方は優しいから、殆ど死に行くような
それを是としないでしょう
現に貴方はいつもとは違い、とても、
……苦しそうだ
着いて来てくれるというその言葉で、
気持ちだけで、私は報われています
ありがとうございます、もう十分です
私はきっと、貴方のその優しい笑顔だけを、
美しい思い出だけを、連れて逝きたかった
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貴方は私が焦がれたその鮮やかな瞳から、
大粒の涙を零し、私を日の下に引き留める
触れた手が暖かくて、目頭が熱くて
視界が揺れるのを止められない
込み上げる感情のまま、貴方の手を、
強く、強く握りしめていました
ーーー私と一緒に来てくださいますか?
口をついて出たのは、貴方の立場を顧みない
身勝手な私の、心からの願いでした
貴方のいない日々が、思い出せない
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気がついたら、もう随分と前から、
貴方だけしか見えなくなっていました
貴方が逢いに来てくれた毎日は、
柔らかく綻び、咲き誇る花のように、
あまりにも鮮やかでした
これからも、九十九日を過ぎても尚、
日々は続いて行くのでしょう
その中にいられたらと、いつの間にか
分不相応にも願っていました
私は貴方と一緒に、
毎日を、生きていたい
抱きしめた腕の中が暖かい、
それは、ある晴れた日のこと
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貴方はあの時、約束の通り九十九日もの間、
こんな私に逢いに来てくださいました
愛しています、貴方と出逢うために
今まで生きてきたのだと思える程に
私の心、存在、人生のすべてを用いて
貴方のための私となりましょう
マヤさん、どうか、
私をただ一人として望んでくださいますか
手の中には、小さな箱の中に光る、
永遠の約束の証
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背景モブ等ご自由にお使いください。
素材お借りしました、ありがとうございます。
キャプション編集中です…
2020-03-23 12:48:48 +0000