――このところ、見かけない人々が増えたような気がする。
すれ違った黒衣の青年も、この大陸の住人ではない。
彼らは誰で、どうしてここに来ているのと聞くと、
私の『片割れ』が言った。
「海の向こうにある大陸から来た人たちだよ。
…特別な星光石を探しているんだって。
僕もその人たちの船に乗って、ここまで帰って来れたんだよ」
特別な星光石。かつてこの地を支配していた"にんげん"達が
私たちと一緒にこの地に捨てていったもの。
「……そう」
辺りを吹いた風が、炎の匂いを運んでくる。
風の通り道を目で辿ると、隆々と聳え立つ原初の星光石が見えた。
1人、また1人と栄光と破滅の象徴へ誘われていくのを横目に
私は『片割れ』の腕を引いて、立ち止まる。
星なんていらない。あんなもの勝手に持って行ってしまえばいい。
私には彼さえいれば、それでいいのだから。
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■ほぼほぼファンアートです!
・キンバリーさん【illust/79456482】
滅びへの旅路をそっと見守っております…。
・ハロ・ハローのサンドイッチ【illust/80142227】
見ているだけで幸せになりそうなサンドイッチ!
キンバリーさんにはスモークサーモン&モッツァレラを食べていただきました。(完全に潰れましたが…!)
■非公式イベント
・星明りに花束を【illust/80203149】
お花だあ~!
(2020/03/22 追記:タグを微妙に間違えていたので修正いたしました…!)
不備等ございましたらご一報ください。
不都合は極大魔法パラレルで………。
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ひと際大きな星光石の方向から、硝煙の匂いが流れてくる。
色々な形の武器を持った冒険者たちが、緊張した面持ちで「それ」へと向かう。
「あの人達はなんて言っているの?」
別大陸の言葉に慣れていない『片割れ』が言う。
「…『まるで戦争でも始まるみたいだ』って言ってる」
「戦争って何?」
『戦争』。まだ僕がハイペリアでボポルと暮らしていたころ、
同じ質問を投げかけたことがある。
彼は深いため息をついて、僕に教えてくれた――
「国と国同士の、喧嘩みたいなものだって。
理由は色々あるけれど…。そこに住んでいる人同士で、
戦いあったり、憎しみあったりするんだって……」
そうだ、ボポルはいつも『戦争』と『星光石』について話すとき、
とても苦しそうな顔をしていた……。
「ヨナは行かないよね?」
「……え?」
「だって、にんげんの諍いでしょ。…私たちには、関係ないもの」
『片割れ』の目がまっすぐに僕を見ている。
腕に込められた力が強くて、僕はそれ以上何も言うことができなかった。
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■ヨナ【illust/79207986】とネール【illust/80137572】(p.4)
■pixivファンタジア Age of Starlight【illust/78509907】
2020-03-21 07:37:49 +0000