「短い間だったが、彼とは軍で一緒だったんだ。彼は定期徴兵で来ただけだったしな。」
深い声は静かに語った。
「だが、武勇に優れ、人望も篤く、容姿も端麗…彼を嫌う者などいなかったし、私自身も斯くありたいと思ったものだ。」
あまり口数の多くない者同士、気も合った。
そう語る黒騎士【illust/79098146】のあるはずの無い表情は、深い郷愁に満ちていた。
「だから彼がモーシー女史と結婚すると伝えてくれたときも、心底嬉しかったし、珍しく2人で朝まで痛飲した。とても、幸せなひと時だった。」
軍に籍をおかず、民間の銀行【illust/78960154】で彼女と働きながら、幸せな家庭を築きたい、彼女を愛している。
珍しく饒舌に彼が語った言葉を思い出し、黒く尖った手に力が入る。
擦りあわされた鋼が奥歯を噛む様に鳴いた。
「…だが、あの忌まわしい事故で…」
しばらくの沈黙の後、おもむろに黒騎士は顔を上げた。
だが、それでも彼の価値は変わらない。
その証拠に彼自身も、モーシー女史も事故を乗り越え、変わらぬ愛を育んでいる。
「今でも私は彼を尊敬しているよ。」
そういって、ヴェルナー・ラインは堅牢な長椅子からその長身を起こした。
■ファンアとみせかけた二次創作です。許してください。生前のトリ氏とラブラブなタテ夫妻が描きたかっただけなんです許してつかぁさい。
毎度のことながら、靄太郎さんに許可とってないので今からとりに行きます。トリ=タテだけにっつってね!
■お借りしました!
モーシー&トリ=タテ夫妻【illust/79472996】
合法ファンアート企画「推しをおしえて」【illust/79475138】
■語り手【illust/79098146】
■pixivファンタジアAOS【illust/78509907】
※何か問題等ありましたらご連絡ください。
2020-03-15 08:17:59 +0000