「報告対象」
星の降り立つ都
「報告者」
オブレイス・フォークロア【illust/78989188】
「報告内容」
遠方から都を眺めた際、中心部にある塔が最も高い建築物であった。
目標地点をそこに定め、都市内を警戒しながら進むこととした。
(1p)
まず、共通して言えることとして、建築技術が我々の保有する技術と比べ格段に高いことだ。
手始めに一つの建築物に入ったが、金属とガラスで曲線を描いた建築物は見たことがなかった。
内部にはいくつもフロアがあり、紙や本、何らかの情報機器と思われるものが多数あった。
高度な情報共有を行う社会が気づかれていたことがわかる。
残っている情報も多数見つかったものの、逆に情報が多すぎて、
当時の情報として重要なものがなにか、がわかりにくくなっていた。
技術が高いというのも考えものだな。
(2p)
鏡の迷宮に踏み込んだ際は本当に驚いた。
虚像だけではなく、心の闇というか、異質な物を生み出す技術があったのだ。
この都にある星光石の影響だろうか?
しかし、何が目的なのかがはっきりしない建築物である。
外的からの防衛装置なのだろうか?
はたまた、別用途のものが長い年月を経てイレギュラーが起こったの?
少なくとも軽い気持ちで入るべきではない場所だった。
(3p)
最も高い塔にたどり着いたときにはすでに日が暮れ、
都市の建物に夜空が反射していた。
建物内には光源らしきものが多数あったため、当時は都市全体が光り輝き、
夜空が反射することはなかったかもしれない。
今でなければこの美しさを見られない、というのも、感慨深いものだ。
この塔は都市の防衛用か、とにかく重要建築物かと思ったが、そういった設備は見られなかった。
傷んではいたが小綺麗な装飾が見受けられ、人を招くような施設ではあったようだ。
塔の中には様々な絵画が見られ、特に「月」、「星」、「太陽」に関する絵が多く見られた。
彼らにとって信仰するような神話・逸話が語られたものか、
または彼らが目指す未来の形だったのか。
協力者たちとともに解明していきたい。
崩壊していない建物が多数あったため、もしや、と思ったが、
ここにもやはり生き残りの民族は確認できなかった。
◆報告先
新大陸学術調査報告書【illust/79137501】
2020-03-15 07:53:48 +0000