双子姉妹の朝は早い (※キャプションにお話載ってます)

悠輝モカ🕊

外見のそっくりな双子の姉妹「かなで」と「かおり」。
毎朝お互いをマネキンにして着ていく服を選ぶのが二人の日課。

「うっふん☆ どお〜?」
「ちょっとかおちゃん…じっとしてて…」
「もー!テキトーに決めちゃえばいいじゃーん」
「ダメなの、女の子は身嗜みが大事」

朝特有の時計の速さに急かされながらも、わざとらしく駄々をこねるかおりはどこかご機嫌な様子。

「かなちゃんの可愛さはかおがちゃーんと知ってるから大丈夫!」
「かおちゃんが知ってても意味ないでしょ」
「可愛さ以外にもあーんな事やこーんな事まで、かなちゃんの事なら何でも知ってるんだから〜!」
「聞いてない…」

かおりの相手をしていると、かなでの手は中々進まない。
ベッドに積まれた服の山を横目に時計の針は快走を続ける。

「あ!じゃあかおがパパッと選んであげるよ!」
「もう…かおちゃんの好みとかなの好みは違うでしょ」

「んー…」

ふとかおりは澄ました顔でかなでを見つめると、微笑んで見せた。

「確かに、そだね〜」

時計の音と小鳥のさえずりが、一瞬の沈黙に日常を奏でる。

二人だけの何気ない朝は今日も過ぎ、そうしてまたやって来る。
きっと、これからも。

#Yuri Illustration Contest 2#yuri#twins

2020-03-05 15:00:51 +0000