新月の夜にはそれを染める空の一部をかき集める。霞に似た翼で空を撫でるとそれにつられて何かが空から流れるように落ちてくるのでそれを陶磁の壺に注ぎ込む。それを熟成させることで生成物となり彼の主なインクの原料となる。集める地や時々で星明りによる周りのわずかな色をそれは拾い、様々な遊色を見せる。ただ海のそばでは収集しない。潮を含んだインクでは金属のペン先を錆びつかせてしまうからだ。インク屋インカースillust/79115371
2020-02-20 01:58:57 +0000