ブラッドレッド・ディベート

こばひろ
Go back

アズラース本線のマフトカンタス駅近くにあるバーガーショップにて。

黒い肌の男:炭酸水ってのはいいもんだ、憂鬱が吹き飛ぶからな。しかしオヤジさん、いかにも面白くないと言わんばかりの面だな。儲けにならないのは分かるがね。

店主:お望みのものは出したんだ、文句言わずに飲め。

客A:それより若い旦那、この期間限定の人気バーガーは食べないんですか?今日を逃せば次はいつか分からないのに。

黒い肌の男:ほう、ここにもいやがった!路頭に迷う哀れな子牛が!お前さんもガラスの玉葱を覗きこんで、魂喰われちまった手合いだろ。この世の賢い連中ってのは、いいか?木の実を頬袋にいっぱい詰め込んだリスさ。その気になりゃキリマンジャロのてっぺんより高く積もるような量の知恵を、ここに(と言って人差し指で頭をつつく)たんまり詰め込んでるのに、俺たちをいつまでも遊ばせるためにわざと小出しにするんだ。カナリアは鉱山の異変を知らせるが、奴らはなにも知らせない。ただ町の事実をしゃべるだけさ。そうすれば、たとえ誰かが店の売り物をくすねていようが、町のはずれで火が上がっていようが、ゆとりがない俺たちにはそんな町でも理想郷みたいに思えてくるんだ。このバーガーにしたってそうさ、こんなものいつだってごまんと作れるんだ・・・少なくとも太平洋が埋まる程度にはな。

店主:くそっ、名誉棄損で訴えてやる。

黒い肌の男:何とでも言えよ。お前さんのバーガーを食い損ねたって、俺のすこぶる平凡で快適な日常は終わらないんだ、アッハッハッハッ…………

//毎日を健やかに楽しく生きよう、というテーマで描きました(笑)。
2枚目は「黒い肌の男」。まだあんまり設定決まってませんが、結構気に入ってるので今後チョイチョイ出すつもりです。3,4枚目は電車図鑑、5枚目以降はメイキング。

#メルクリウス鉄道#traditional#imaginary railways#train#town#railway#beast ears#mechanical pencil#automobile

2020-02-16 13:48:47 +0000