撤退間際。師団の面々がやり合っている赫い男と、一瞬だけ──目が、合った。
「────っ!」
呼ばれている。誘われている。『君も、さびしいんだろ』って。
鋭い目が。赫い刀の切っ先が。篠突く雨のように、私を刺し、誘う。
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▶︎ 見誤るな 引き際を 弁えろ
剣を 収めるには まだ早い
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馬鹿言うな。こんな簡単な選択肢、間違えない。勝てる相手と勝てない相手の区別くらい、付く。震える手で、抜きかけた雨守を鞘に収める。
さびしいものか。
あのひとの孤独と、私の孤独は、全然違うし──
それに、私は、望んで、自分で選んで、孤独を、ひとりの生き方を。
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非公式イベント【白銀の狂騎士-赫 illust/79446465】への支援です。illust/79477250 で雨を降らせてからのこれになります ハルイはどうして群れずにひとりで居るのかな どうして渡りを続けているんだろう……
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■ お借りしました
【征伐師団グラムガ】── illust/78953205
翼落としのウズエル illust/78953707
■ うちの独り燕
雨夜鳥のハルイ illust/79169415
【企画元「pixivファンタジア Age of Starlight」illust/78509907】
2020-02-16 08:14:36 +0000