(よし、ここは見てみよう)
受話器を当てながらバックを手繰り寄せる
何気ない行動も、腕の傷のせいで少し手間取ってしまう
カバンを開けると丁寧に包まれた写真立て
そこには…
母親「ねぇ?見た」
「う、うん」
母親「全然覚えてないんでしょう うちの家族と六崎さんのご家族で
出かけたこと
みんなで遊園地行ったのよ あんたったらすごくはしゃいで
メイちゃん連れて、すごく楽しそうだったのにねぇ
あの後、メイちゃんのお母様から聞いたんだけど
彼女の初恋だったらしいわよ あなた、モテるわねぇ
その時からずっと想われてたりして
もう、10年以上前のことなのよね
夏に電話が来たときはびっくりしたわ」
(ま、全く覚えてないぞ…)
母親「メイちゃんのお母さん、すごく美人で、明るい方だったのよ
まさかお父さんまで、亡くなるなんて
この間電話もらった時、これからは私達が親代わりね
なんて言ったら、電話口で泣き出してしまって」
普通、年頃の男の一間に押しかけるなんて嫌だよな
もしかしたら過去に会っていることで
そういう警戒は解けていたのかもしれない
まぁ、状況が状況だけにやむを得なかったのもあるけど
母親「ねぇ、聞いてる?」
「あ、うん」
母親「彼女のおじいさんも心配で見に来ているらしいけど
あんたもしっかり声ぐらいかけなさいな
一緒に暮らして、楽しかったって
お世話になりましたって、言ってたわよ」
「わかった」
電話を切ると写真にもう一度目をやる
(ちゃんと話してくれればよかったのに)
メイと一緒の日々、楽しかった毎日を
反芻するように思い出しながら
カバンに写真立てを戻した
(続く)
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いつものイラスト幅で縦横逆ですが
縦に高いですね~
なんかバランス悪くなっちゃったかな
1話でこの展開読んでいたコメの方いて自分の浅さがショックでしたw
引き続き、この連載は
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2020-02-13 20:47:25 +0000