【PFAOS】無垢のセイレーンよ

藻上

これはpixivファンタジアAgeofStarlight【illust/78509907】ファンタジー作品を描いて遊ぶ企画の絵!!

同族エンカウント【illust/79260129】の流れを汲んでいます

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「近頃”のり”が庶民にも流通し始めたらしいですね。
昔、ハイぺリア渡来の高級珍味だった頃口にしたことがあります。
サフィロの貴族たる私の口に、磯のものなど合うわけがありませんでしたが」

カーッペっと、平常運転で脈絡もなく悪態をつき始めたウィダルに、アルデールはあきれ顔で相槌を打とうとした。
が、ふと思い当たる節があり、いつも携帯しているメモをパラパラめくると、先ほど自分たちに話しかけてきた少年に声をかけた。

「君」
「はい、なんですか?」

出会い頭に理不尽な罵倒を受けても天使のように微笑む少年は、物おじすることなく振り向く。

「ファロス島、という島をご存じですか?あの辺りは海賊が多く、
ことサフィロの領海に至っては、ハイぺリアの優秀な沿岸警備隊の手も及ばないため
流通が滞っていました。」

少年は首をかしげる

「先ほどあの杖を持った者が言っていた、のり、というのはファロス島の特産で
つい最近、サフィロでも手に入るようになったのですよ。
どうしたことか、海賊たちがきれいさっぱり消え失せ、商人たちの船が行きかいできるようになったからです。
今あの辺りは、安全な航路として、商人たちに人気です。」

 一部の商人たちの間では、航行の無事を祈るとき、「海賊船を沈めるセイレーンに感謝する」というおまじないを行う慣習がある。
……皆、そのセイレーンがこの少年__イルナーザであることは知っていた。この海路が無垢な少年の未来を犠牲に拓かれたという罪悪感から、口当たりのいいおとぎ話に挿げ替えて語っているのだ。
おぞましい事実を口にする事は避ける風潮がどこかにある。

「その……君のことを手放しに讃えることはできません……
それはもちろん、君のせいではなく、理を逸脱した魔術師のせいですが
それでも、海路の開拓に貢献した少年の謁見を、王様が拒むこともないでしょう」

「ええと、わからないですけど、つまり、王に謁見できるということでしょうか?」

「どうにかお目通りできるよう手配しましょう。彼が」

アルデールはサッとウィダルを指さす。

「うぇっ!?べっ?!ばっ!?何故っ私がぁ!?」
「もちろん王様はお忙しいので、簡単にはいかないでしょうが。」
「やったあ!ありがとうございます!」

ウィダルが何かを叫ぶ前に、イルナーザは軽やかに去っていった。

「焼風卿!!貴兄が言い出したことを!何故!私が!」
「話を振ったのは貴方ではありませんか、まったく、全部私にいわせて……」
「そんな!心算は!一切!ねぇんだよぉ!!クソがッなんて面倒なことを……!!」
「はいはい……ええっと……なんでしたか……どこかの方言で……」

ファロスファロス

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な~んて与太話があったとかなかったとか……いろいろ設定あやしいですが多めにみるかメッセージ等で殴ってもらえると幸いです。
イルナーザ君が王に会えたかどうかはまた別の話……

お借りしました
アルデールさん【illust/79020256】ウィダルなんかいつも迷惑かけてそう
イルナーザ君【illust/79026216】多分哀れまれるより感謝されてそうだなあサフィロのお国柄的にっておもいました。
出会って即罵倒されて笑顔はつわものすぎる
ファロス島関連はアーカリオ・ボンボリーニ様あたりから【illust/79170148】毛描くのたのしすぎファロス

時系列は謎です。アルデールさんに丸投げしすぎ【illust/79062588

#浮遊石の遺跡【赤】#Age of Starlights#pixiv Fantasia: Age of Starlight#ファロス島#【銀の針】

2020-02-07 11:54:41 +0000