「ラディオドンタ類」という原始的な節足動物とされる一族の旧称「アノマロカリス類」に表れるほどの代表格。全長半メートルほどあるバージェス動物群最大級の一生物で、鋭い棘の前部付属肢と発達した鰭により機敏な捕食者であったと考えられる。その姿は肉食的であるが、不規則で弱々しい歯の形から主食は長らく語られてきた硬い三葉虫ではなく、おそらく柔らかい蠕虫のような小動物であったとされる。尾鰭は鳥の尾羽のように扇状に広げ、それを用いて遊泳中の方向変更を素早く調整できたと推測される。
多くのラディオドンタ類と同様、化石は往々にしてバラバラで、かつてその前部付属肢は甲殻類の腹部と誤解されてきた。なお、ナマコと誤解された胴部の「ラガニア」、およびクラゲと誤解された口の「ペイトイア」として記載された化石は、実はアノマロカリスでない別のラディオドンタ類のもので、「ラガニア」と「ペイトイア」という2つの名もその種類に受け継がれていた。
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大変遅れましたが、今年も何卒宜しくお願い致します。初描きはまさか4大亜門外れの絶滅群に触れました。胴部の鰓や頭部の甲皮など近年において存在が確証された形質も組み込んでいましたが、それらの配置は未だに議論の余地を感じますので敢えて曖昧な位置で表現しました(実際いつものやり方ですが)。
2枚目以降は去年の擬人化の再掲になります。
2020-02-03 12:12:06 +0000