「いやね、そういう趣向のショーかと思って楽しく観てたんだよ。皆似たような被り物をしてるかそういう種族か…って。でも違ったんだなぁ。あれモンスターなんだよな。首より下は人間だって言うじゃねえか。たまげたたまげた。」
「身体付きのやつは踊ってるだけだから弱いけど、うかつに倒せないってよ。なんでも、乗っ取られた人間の頭が近くにないと元に戻らないんだと。ちょんぱして倒したら本当のちょんぱになっちまう。」
「ああ、あいつらの興行はすぐ他の街へ行っちまうから追いかけるのは大変だなあ。まあ、頑張んな」
〜トゥブ著「モンスターによる興行団は何故討伐されないか」より抜粋
踊りたい一心で理想の身体を見つけると乗っ取ろうと襲ってくるきのこ。身体を乗っ取られると、残された人間(頭部)は「状態異常《生首》」となる。
身体を手に入れたスゲカエオドルダケは「身体付き」と呼ばれ、集団で行動し各地でショーを開く興行団を結成する。乗っ取った身体を死なせないために、身体の持ち主の頭部には「簡単には死なない呪い」をかけ生かしておく。本体のみの場合は素早い動きが特徴で、攻撃が中々当たらず倒しにくいが、身体付きは踊ることに気を取られているため倒すことは容易である。ただし、身体の持ち主の頭部が近くにある状態で倒さないとスゲカエオドルダケの死と共に持ち主も死んでしまう。そのため、スゲカエオドルダケによる興行団は討伐されることなく黙認され、見事な踊りを観に来る観客と身体を探す者で賑わっている。街に留まる期間は極めて短く、早ければショーを含めて三時間、長くとも二日で次の街へ移動する。
土と適度な湿り気があればどこにでも生える。人間の頭部程の大きさ(成体)になるまで3年かかる。成体になると土から飛び出し自ら狩りをするようになる。
熱に弱く、茹でるとプルンとして喉越しが良く美味しい。
2020-01-19 01:02:49 +0000