先代 星喰らいの国ユルドゥズ マニャン・ギュネシー【illust/77832586】(20pt)
先代開花 咎の都イムスルツカ 白銀の魔女さん【illust/77876437】
『今貴方方はどこにいるのか、先代が役目を果たしたあとに連絡を取れなくなった今解りようもない。そしてそれを俺は知るべきではないのだろう。…幸せな時を過ごせたのならば、それでいい』
先代開花当代 咎の都イムスルツカ 白銀の魔女さん 【illust/78667282】
「むう、これがなかなか難しい。仕事の合間にやってみてはいるが奥が深い。今代魔女殿の作品もいつかお目にかかりたいものだ」
・星の巫(ほしのかんなぎ)
真名:アルゴラブ・ギュネシー
33♂ 179センチ 俺 君 〜さん
通称:星の巫
「無念のうちに死んでいった魂を慰める目的もあるが、何よりもさようならも言えずに別れてしまった俺達がふんぎりをつける為にも必要なんだこれは。…向こうは一体どんな所なんだろうな」
「この世に来た時のことは今でも覚えている。真っ暗で怖かった中、俺を見つけてくれた人達がいる。その人達に恩を返したいと思っている」
▪️素敵なご縁を頂きました。
博物記録研究院 テトラベネティカ カトリさん【illust/78680560】
情報交換、婚姻
「はじめまして、代表…代理殿。この国を見つけてくださり感謝する。貴方がた研究員の皆様の興味をひくものがあればよいが…。ゆっくりしていってくれ。北の森はそろそろ墜星が出ると予言が出ているから近寄らない方がよい」
◎月△日
テトラベネティカなる研究機関が国を訪れる。彼らの目的は墜星の調査、自生植物の調査、などなどだと言う。
友好国であるノシュト=ニーナには特徴的な毒草が自生しているが、我らの国にもあるのだろうか。検討もつかない。
しかし墜星の生態については我らも興味がある。安定して倒せるようにはなったものの、生態については未だにわからずじまいな所が多く神官達の研究の成果も芳しくない。
何か、打開策が見つかれば良いのだが。
***
「え…?新種…?そうか…。いや、それをスープにいれると夜よく眠れるとしか思ってなかったな。そうか…お前…うちにしか生えないものだったのか…」
「いや、貴方にそう言われると、改めて存在を認知して愛着が湧いたというか…。今日はこいつを使ったスープにしてもらおうと思う。…貴方ももし、一緒の食事が嫌でなければ是非、カトリさん」
◎月□日
新種だ、と教えて貰った植物は一昨日スープに入っていた花だった。周囲にいた神官達もそうだったのですね~と驚いていた。
ただの苦味のある花だな、としか認識していなかったものが自国にしか生えないと聞かされると、不思議とこの花も、味も好きなもののように思える。
あまり会話が得意な性格ではないし、華やかな宴の席という訳でもない。楽しい食事の席、となるか不安であったがカトリさんは誘いにのってくれた。とても話し上手な彼女のおかげで、久しぶりに明るい食事の席につけた。有り難い。(後に彼女の体質の事を知った、申し訳ない事をしてしまったかもしれない)
***
「…カトリさん?こんな夜更にどうしたん?…ハーブティーか、有り難い。少し休憩をしようと思っていたところだ。もしよろしければ、話し相手になってくれんか。神官長の子供が、スミレの砂糖漬けをくれたんだ」
「文官達が噂をしていた。最近、カトリさんが民に良くハーブティーを振るまってくれていると。ありがとう、イムスルツカの竜の呪いをその目にした者達は、どうしてもその呪いの深さに、無情さに竜という存在に対して恐怖心を抱いてしまう。墜星に対してもそうだ。わからんもんは怖い。完全に怖くなくなる、というのは難しいかもしれんが、落ち着いて眠る事は出来るだろう。…重ね重ねありがとうなあ」
◎月*日
深夜、仕事が一息ついた所でカトリさんが一息いれないか、とハーブティーを煎れてくれた。ちょっとにがい。
研究用件の合間合間にカトリさんは民らにハーブティーやおまじない(神官長は昔祖母がそういった知恵を教えてくれたと話していた)を教えてくれていた。不安やヒステリーというものは伝播する。少しでも心を落ちつかせれば、それらに感化される事もなくなる。後は当人の問題だ。
彼女達に何からなにまでおんぶに抱っこでお世話になっていて申し訳ない限りだと思うが、それを彼女に伝えると色々調査させて貰っているわ、と頬笑まれる。そう、彼女達は明後日をもって一度本拠地に戻る。次に来るのは、暫く先になるだろう。
さみしい?のか?
***
「…わあ、久しぶり…、驚いたな……。手紙のやり取りがあったとはいえ…」
「…いや、神官長からテトラベネティカから使者が来るのは聞いてたんが、君とは思ってなかったな…代表代理なんだろう、忙しいだろうなって」
「いや、嬉しい。とても嬉しいよ。引き続きの調査、ありがとう。他にも仕事があるだろうが、ゆっくりしていってくれな」
△月$日
テトラベネティカからの使者が調査の続きを開始すると言う。彼女だったらいいなという淡い期待を持っていたが、本当に彼女だった。手足の血行が急に良くなったような、ふわふわした心地を感じる。
以前彼女を連れて行けなかった市場の方にも案内したい。北の森に出た墜星は退治したから、あちらも行ったら彼女は喜んでくれるだろうか。
*
「カトリ、俺の名前を聞いてくれないだろうか。…アルゴラブ、アルゴラブ・ギュネシーという。春の星座、烏座の恒星のひとつ。春を告げる星の名前だ。…貴方に、どうしても知っていて欲しかった」
***
『カトリ、久しぶりにまた君がユルドゥズを訪れると聞いて、今から楽しみにしている。春のユルドゥズはまだ少し肌寒いが、雪は少しずつ溶けてきているし、蕾は綻びはじめている。また違う姿を君に見せる事が出来ると思うと、楽しみだ。』
『下手の横好きで申し訳ないが、これを君に。世界を股にかける君だから、御守りを作らせて貰った。俺の魔力を注ぎ込んだ石を入れた。多少の魔物なら退けられるだろう。興味があるならそれを割って調べて貰っても構わない。…刺繍は、下手くそで申し訳ないが、これでも国一番のご婦人に習ってこれなのだ。努力を買ってくれると嬉しい』
『君にまた会えたら、伝えたい事がある。どうか聞いてほしい』
***
「久しぶり、元気そうで何よりだ。…いきなり、その話か…」
「君といると、頭がふわふわする。身体中が妙に熱くなる。そうなるのは、君だけだ。君が他の男と楽しそうに話していると無性に割って入りたくなるし…君の手を、取りたくなる」
「感情に振り回されるのははじめてで、どうしたらいいのかもよく解らない。でも」
「君がすきだ、ずっと傍で笑っていてくれ」
2019-12-31 15:02:09 +0000