こちら すくむ【illust/78054288】 の流れお借りしてます。
※不都合な点等がございましたらパラレルスルーやメッセージをお願いします。
震え怯えている姿を見て目を細める。
堪らない、良い顔をする。
「そういえば恐怖によって血は甘くなるとか誰かが言ってたかな」
「...っ!」
そう言いながら首を指でツゥっとなぞる。
びくっとサクリフィの身体が跳ね、ぎゅうっと瞑る目から涙が数滴溢れる。
その涙を拭い、ペロリと舐める。
しょっぱい。
「ウ、ルさん...」
「あぁ怖がらせ過ぎてしまったかな?」
「正気に、戻った...?」
今の様子に戻ったのかと思い、そろそろとサクリフィは目をあける。
だがウルはにこりと笑ったまま退く様子はなく、赤い目が怪しく揺らめく。
その安堵しまた怯える様も眺めていたい。次はどう言おうか、何をしようか。
そう考えるがどうしようもない渇きが思考を邪魔する。
喉が渇く。血が欲しい、その肢体に牙を立てたい。我慢出来ない。
ウルはサクリフィの腕を持ち上げ、乱暴に袖をまくる
「...!?」
「噛まれるのは初めてだろう、サクリフィ?特別だ。少し痛くしてやろう」
吸っている様子を見えるように、サクリフィの腕に立てる。
ぷつりと皮膚が裂け、いたっと小さく声を上げるサクリフィを横目に、血を飲む。
久しぶりの食事は、甘く美味しく、満たされる
.........。
少しの間、ウルは腕から牙を抜き怪我をペロリと舐める。
「え、えっと...ウルさん...?」
ウルはまずサクリフィの上から退き、頬を掻く。
サクリフィは突然の様子に驚いたように見る。
先ほどまでの渇きが消え、頭が冷えた。
「あー...すまないことをしたなサクリフィ...」
「もう、大丈夫なの?」
「まぁ、うん...そうだな...」
少し警戒しているサクリフィを見る。
そりゃあれだけ怖い思いをさせたのだ。警戒されて当然だろう。
ウルは苦笑し立ち上がり、転がっているサクリフィの荷物を拾う。
「あれはあたくしだ。軍人じゃなく、吸血鬼としてのあたくし様だ」
「吸血鬼...」
ほら。とサクリフィに籠を渡しながらなおも続ける。
「よくわかっただろう?あたくし様達吸血鬼はお前達とは違う存在だ」
ここまでの飢餓感、恐らくは他の吸血鬼も同じ状態だろう。
場所によってはより酷い事が起こっている可能性もあり、下手に外を出歩けば怪我では済まないかもしれない。
ならば秘匿派軍人であるあたくし様はどうするべきか。
「また噛まれたくないなら家に帰って引きこもっておけ」
サクリフィを護る為に家に帰して、原因であろう人物カールを ─聖櫃─ を倒す。
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訳:危ないから家に帰って!
サクリフィさんが逃げるのを見届けてから、ウルはカールさんの迎撃に向かう予定です。
予定なのでまだまだお話しても大丈夫です...お好きにどうぞ!
◇お借りしました
怖い思いさせてごめんねサクリフィさん【illust/76311263】
素直に言えないウル【illust/76260892】
◇企画:聖櫃に捧ぐ小夜曲【illust/75999276】
※キャプション随時編集します。
※不備等ありましたらお手数ですが連絡お願いします。
2019-12-11 11:13:55 +0000