ところで皆様は寄席というところに行かれた事はありますか?
我々講談師に落語家、漫才やコントに浪曲、さらには手品などが一度に観られる素敵な場所でございます。
一度にと言っても皆で一斉にやるわけではありませんよ?
横に並べて一斉に芸を披露したら、誰が一番印象に残るんでしょうかね。
開口一番に鳩を飛ばせば手品師が最強のような気がします。
講釈師も張り扇でスパーンと叩けば注目されると思いますが、その後はどうしましょうかね・・・。
寄席はおおよそ演者の時間配分というものが決まっていまして。
芸人、話を途中で終わらせる切れ場というものがございます。
噺を終わらせる際の決まり文句、例えば落語の方では、
「お後がよろしいようで」
実は「お後がよろしいようで」は、寄席演芸場が有に100を超えていた明治時代の言葉でして。
馬車などが現役のバリバリだった時代ですから、あちらこちらの演芸場に引っ張りだこの真打ちが到着をする際の時間計算をするのが非常に難しかったんですね。
真打ちが来るまでの間、前座が噺を引っ張って時間を稼ぎ、到着した頃を見計らって言う言葉で、今ではほとんど使われなかったりします。
今のは落語家さんの話。
講釈師さん・・・フフフ。
失礼しました、講釈師の場合は、
「本日は読み終わりとさせて頂きます」と言います。
元々釈台の前に本を置いて喋っていた芸能ですから。
開いていた本を閉じるという事で、
"読み終わり"。
人によっては、
「失礼つかまつります!」
とカッコ良くおっしゃる方もいたりしますね。
鶴々(つるつる)師匠がそうですね。
昭和を生きた名人のレコードでは結構良く聞いたりしますが、こちらのセリフはまだまだ現役だったりします。
私もこの場をお借りしてキャラクターを変えてみましょうかね。
皆様から尊敬の眼差しを獲得する、
"すたいりっしゅ"な講釈師になりたいなと思いまして。
お好み焼き屋の場を借りず、寄席でやれよと言われそうですが、「御免(ごめん)」なんか最後につけるともっと良いかもしれませんね。
(パンッ!パパンッ!)
「そこを離せ〜!」
袖振り払った安兵衛がっ!
(パンパパンパン)
千里一時虎の子走り、
バラバラバラバラっ!
駆けつけてくる高田馬場!
此方の方より上方から戻りし者に聞くと、
浪人一味戻りしという、
怒りを発した安兵衛がっ!
(パン!)
高田馬場十八番切りに及ぶという!
(パン!)
これからが面白いのですが〜!
(パンパンパン!パパンパン!)
これにて失礼つかまつる、御免!
(パン)
実はこちら!(パンパン)
この間(パン)
小学校でやりましたら〜
(パンパパンパンパンパンパ〜ン!)
「お姉さん、何で怒ってるのに謝ってるの?」
と言われました。
(パン)
2019-11-30 11:48:40 +0000