ヒーロー番組にとって悪役は必要なモノ。悪役が強大であればあるほどヒーローはヒーローになれるし、そもそも悪役がいなければヒーローが生まれることもないのは至極当然な話。中でも主役を食う程のインパクトがあるキャラクターとして、『こいつには絶対勝てないだろ』と思わせるのが製作陣の腕の見せ所だろう。しかしながらここで紹介するガシャドクロこと貴公子ジュニア、前述の要素を持つキャラクターではあるもののこれ以前の作品に似たタイプがいない(ヘドラー将軍やグリフォーザーといった忠臣タイプ、シルバやカウラーといったアンチヒーロー的性格、等のパターンはあるが)という意味でエポック的な人物ではないだろうか。組織の一部ではあるけれどまるで組織を牛耳っているかのように振舞うヤツがこれ以降増えたところを見るに、彼は相当画期的なキャラクターと言っていいだろう。
悪役俳優は嫌われてナンボというが、ラディゲやバスコの俳優さんみたいに度が過ぎた事例も少なくないという。ここで挙げた遠藤憲一さんやホラン千秋さん等は恵まれている部類なのは分かるが、フィクションの世界とは言え何とも皮肉な話である。
2019-11-02 13:47:20 +0000