【ピクシブ・クロス・ゾーン】エピローグ~白き角竜、帰還する~

bull.falcon
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あの死闘(illust/77567091)からしばらく経ったかつて林だった場所…

「白き異界の角竜(illust/77359081)」が目覚めるとその身はまた手当てされた跡があった。
---…また、あの者たち(illust/77244847)に救われたか……---
しかし、あの時よりも苛烈な闘いだったためひどい火傷跡や貫かれたフリル、折りとられた額の角はさすがに治らなかった。それに、あの夜授かった「月の光の力」もいつの間にか消え失せていた。

そして…ふと目の前を見ると、同じように手当てをされた翼の砕けた「紅き龍(illust/77094476)」がそこに座っていた。その手には、あの時「折りとられた角」があった……
…が、相手も自分も「今すぐ倒そう」だとは全く思わなかった。殺気も全く出ていない。両者はあの死闘の果てに闘志が一時的に燃え尽きたのか、なにか憑き物でもとれたかのように、ただただ無言で見つめあった。

---……自分より先に他を想いやるか…あの紅き龍も救うだなんて、あの者たちは本当に「優しい」のだな……
…そう言えばあの者たちの姿はどこにもないが…あの者たちのことだ、きっとどこかで「他のものたちを助けているのだろう(illust/77561976)」…---

しばらく無言のときが続いた。ふと、紅き龍が何か想ったのか持っていた「折られた角」をこちら側に置いてきた。だが、彼はその角を紅き龍に返した。「自分で勝ち取ったものは自分のもの」…野生で生きる彼だからこその考えだろうか。
その姿はさっきまで死闘を続けていたようには思えない。むしろ…。

---…!?---

「それ」は突然だった。白き角竜の真上の空に「穴」が現れたのだ。彼の巨体は宙に浮き、その「穴」に吸い込まれようとしていた。突然のことになけなしの抵抗をするも、その「穴」から「懐かしい匂い」がするのに気づいた。…それは、「彼が住んでいた世界」の匂いだった…
---…まさか……「帰れる」のか!?…だが、なぜ今になって?…なぜ……---
紅き龍も突然のことに動揺するも、あっというま過ぎてなにも出来なかった。白き角竜は、「何か想うところ」と「折られた角」を残したまま「穴」に完全に吸い込まれ、その「穴」も、最初からなかったかのように閉じて消えていった……。

…今なお恐竜が支配する世界…。あれからいくらか経ち、白き角竜は「傷だらけの身体」以外、元の世界に…元の弱肉強食の暮らしに戻っていた。
---「あの日々」は確かに「本物」だった……しかし、結局なんだったんだ…あの世界も…あの紅き龍も…月の光も…あの「穴」も……そもそも「何故あの世界にいきなり迷い込み、そして帰ってこれたのか」……だが、「悪い気はしなかった」……---

…異界に迷い込んだ白き角竜と紅き龍の闘いはこれで終わった。なぜ、両者がひかれあい、そして限界まで闘ったのか…。それは「相対する龍と虎の概念」からだろうか…もしかしたら、両者の「猛者と闘い、さらなる高みを望む闘争心」が両者を引き合わせたのかもしれない…
…もし、白き角竜と紅き龍が望めば、また逢うことも出来るかもしれない。だが、「その時はただの敵ではなく」…。

モフパンさん(user/21124784)、白風さん(user/4909506)、そして企画者のDEVさん(user/297859)…いろいろありがとうございました!
10月(期間)過ぎてもう2日ですがゆるしてください…。

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2019-11-02 00:12:48 +0000