■□■企画元:最期の命令を【illust/76186238】
■□■トスカ Tosca
年齢:21 / 身長:158cm / 性別:女 / 従者
「私は私の声が好きよ?私を価値あるものにしてくれるもの。
…だから王も好きよ。私を目にかけてくれたでしょう。」
■□■勿体無いほど素晴らしい王とのご縁をいただきました
イルヴァさん【illust/76905280】
声を涸らす瞬間でも、お側に。
神は人の願いを叶えるべきもの、王は民草の望みを叶えるべきもの、そうだった。
冷たい空気が鼻腔を通り、肺を満たす。
血液に乗って、頭ははっきりとし背筋までがすっと伸びる。
こういう日は声がよく通る。良い日だ。そして何より我が王のようなしんとした静けさを持つのは、褒められて良いはずでしょう。
「陛下ー!陛下ー!!体は冷えていらっしゃいませんか?湯の準備ができましたがいかがなさいましょうか。え、ええ、王だなんて呼び方はあまりにも”あんまり”だと言われてしまいまして、ちゃんと陛下と呼ぶようにしました。」
得意げに胸をはってみたけれど本当は叱られるまで知らなかった、王で十分丁寧だと思っていたのだから。この場所は良いところ。浅学のものにまでこうして知識を与えてくれるのだから。
「今日のご気分はいかがですか?お忙しくないようでしたら…ええと、あまり相応しくないかもしれないけれど、巷で好まれる小歌曲にいたしましょう。」
この騒がしい女を仕えさせてくれるようになって、どれくらい経つのだろう。
ここ都合の良いところ。
「主上のために歌えて、幸せです」
我を押し通すトスカには、その王のことを理解できるはずもなかった。その日までの話。
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王とはなんでもできるものと思っていた。それに尽くせばなんだって満ち足りた自分が得られるとも。
神おわす国のあるじはそんなトスカの本質を突き放しては優しく撫でていく。自己愛の水槽ではないところをそっと。
自分は自分のために、自分の王を。不憫な心の貧しさを潤そうとして手を伸ばして。
なんでも叶えようとする尊い人の空っぽさと、神という名前の衣に触れる。
「なぜ、私にそう良くしてくださるのです」
高らかに声を張った王を讃える歌の裏で、聞こえないように地面に落とした。
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それは幻想だと仲間の詩人が言った。なるほど、トスカは恋に恋しているのだと。自分が好きなあまり、そうしてかなわぬ恋をする自分に酔いしれているのだと。
「それならそれでも良いの。ようやく王が誰でも良いなんて思わなくなったから」
王の周りにいる人はいないからと軽口を叩く。
そろそろもう戻らないと。
今日は移動するときに手を引かせてもらった。不要だろうけれど、そうしたかった。
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「なんてことを言うのですか。もっと自分のために生きて良かった、そうでしょう。
私が貴方を讃えて歌って死んで、でも貴方は王として生きるべきです。はい、ええ。
それで、十分なのに。ご命令ください、貴方を生かせと、どうか」
ああ、嫌だな。
とても嫌だ。
「どうか、イルヴァ様」
───その尊い名前を口にしたのは、初めてでした───
「こんなにひどいお方だと思ったのは今までありません、ああ、でもとても嬉しい。
生き甲斐とはこういうことを言うのですね…死に甲斐と言った方がいいのでしょうか。」
「貴方の御子を抱いて子守唄を口ずさむことを幸せな未来と思っていたこともありました。全部過去のお話。」
「生きてください、いえ、そうでなくても。お供いたします!」
どろどろのみっともない顔で鳴いて 迎えた さいごのひ
■□■申請について年齢や性別、恋愛・友好的な感情の有無は問いません。
この二人ならではな関係を築けたらとても嬉しく思います。
交流については外部ツールを使いつつまったり、お相手の方に合わせたりします。
仲が悪いも、恨み合うも、心中も死に別れもだいたいなんでも美味しくいただけますので、
滅び方やその後などのご相談はお気軽にどうぞ!
(トスカというキャラクターが嫌だと言っている展開でも中の人は問題はありません)
返信が必要な場合は48時間以内にお送りします。
それ以上反応がない場合は何かがあったのだと思って撤回していただいて大丈夫です。
2019-10-05 11:44:21 +0000