旅に出ようと思ってるんだ、アンネ、リックと一緒に
そう言った彼の瞳に僅かな迷いが見えたが、彼、彼女達と共に行くか行かないかはともかくとして旅に出るのは本当なのだろう。
ならば。
成人を迎え、旅立つ彼……いや、友人の門出の祝いをせねばなるまい。
「…ねえ、ジル 手を出してくれないか」
「手?」
不思議そうに手を差し出す彼の腕に、自らの手を添え瞼を閉じる。
「これは、僕からの餞別だ」
瞼を再び開いた時彼の目が一瞬灰色に染まり、彼が自分の目を見て驚いていたから、恐らく成功しているだろう。
「ロドラ、今のは……?」
「おまじない。ほんの少しだけだけど、きみを護ってくれると思うよ。
………よい旅路を、ジル」
護りの祈祷
ロドラ・ギーエンが使える唯一の護りの加護のようなもの。形はどうあれ、彼が想う者にだけ与えることができる。相手の腕に手を添え念じ、与えた相手の目の色と、自分の目の色が一瞬入れ替わることで、成功となるので自分では成功したかどうかを判断することができない。
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ジルくん illust/72954399 illust/74241178
ロドラ illust/72938371 illust/74319405
「いやあ、久々にやったから出来るかどうかわからなかったんだけど よかったね」
「すごい他人事だし台無し!!」
2019-09-23 13:34:02 +0000