智利軍に青年将校文化はありしや/爽やかすぎるピノチェト

楚星蘭三

元ネタはこちらのツイート https://twitter.com/sosei_ranzou/status/1166897133309419520 で紹介した写真。しかしわれながら、ピノチェト政権時代のチリをモデルにした作品を書き、ピノチェト将軍と思しき人物を描いたことはあったけど、文字どおりご本人を描いたのは初めてかも?

さてチリ陸軍と言えば、かつてのドイツ国防軍を彷彿させる折襟の軍服が印象的ですが、ピノチェト氏(1915年生まれ)が士官になりたての頃で1930年代後半と推定される元ネタの写真の軍服はずいぶん印象の違ったもので、立襟で前あわせは隠しボタン仕立てになっています。胸ポケットの波形のカーブが急であるのも相まって、パッと見第一次大戦時のオーストリア軍のようにも?

チリ陸軍は19世紀末からドイツ軍の影響を受けたわけですが、その時点では(ドイツ軍自体そうであったように)当然原色系の生地で立襟。それを、20世紀の軍服の潮流に合わせて変化させていくにあたり、生地は低視認性のグレー系にするとして、服の仕立てに関しては、チリ独自の試行錯誤があり、その上で現在も用いられている折襟パターンに落ち着いたのかもしれません。あるいはこの時代には、おなじみの折襟7つボタンのものと併用されていたのかもしれません。

元ネタの写真では、立襟ではあっても襟の高さはそこそこな感じですが、あえて日本陸軍の「青年将校文化」よろしく高襟にしました。青年将校文化といえば「チェッコ式」の制帽ですが、写真のピノチェト氏が脱帽姿なのに準じて、想像した制帽を手に持っている形で描いてみました。

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2019-09-14 11:15:59 +0000