D.C. al Fine

鵜飼沙樹

異世界迷宮の最深部を目指そう12巻/割内タリサ先生著』がオーバーラップ文庫から本日発売です!

「小説家になろう」で連載中の小説です。こちらは無料でご覧頂けます▼http://ncode.syosetu.com/n0089bk/

左藤圭右先生によるコミカライズが開始しました!
https://comic-gardo.com/


店舗特典▼http://blog.over-lap.co.jp/tokuten_isekaimeikyu12/

―――――――――――――――――――――――

以下反転でイラスト注釈がご覧頂けます。
ネタバレ満載ですので、本文読後推奨です。


◆イメージとしては10巻表紙のティティーと同じく故郷の草原です。
 白桜(ピエリス・アイシア)の木を入れています。
 今回、考察要素や暗喩は特にないので、見たままです。

◆割内先生からは「今回のアイドはどんなイメージでも合いますから、アイドがラスボスでもいいし、主人公っぽくてもいいし、カナミと睨み合わせてもいい。なんでもできる男っ 」
担当Sさんからは「個人的には、あんまりカバーで睨み合っているよりは、このヴィアイシア全体が決着するところなので、さわやかにしたいなあ……というイメージです。」
とのことだったので、カナミとアイドの最終的な間柄をとって、夕日の川辺で泥臭く殴り合った友情的なものにしてあります。

◆10巻表紙を描いた時から、いずれアイドの巻と繋げられたら面白いですねと担当さんからお話を頂いていたのもあり、10巻とパースや風を共有しています(10巻の左側に続いている感じ)。
 ただ、色合い的には対比にしてあります。二巻それぞれが補い合って揃ってはじめて共鳴魔法が完成する的な…。
 10、11巻と青空が続いているというのと、色合いが全く同じだと少し表紙としてイージーすぎる感があったので、12巻4章(web版259話)のタイトルから取って背景は珍しく白ヌキです。
 最初は決着巻ということで夕暮れ辺りでもいいかなと思っていたのですが、実際描いてみるとこちらの方が映えたので。

◆白桜、という品種は正確には存在せず、意味としては「ミヤマザクラの別名」、「イヌザクラの別名」、「シラカバの別名」、「コブシの別名」等があるようです。
 割内先生にお聞きしたところ、「言葉の翻訳をしたであろう陽滝は『ほぼ一緒じゃん』と大雑把に考えただけなので結構あやふや」ということなので少し違っても、または全く同じものでも良いとのことですが、コブシを選んで参考に描いています。
 理由としては
・遠目に見た時、なにも知らない人が「白桜」と聞いて想像するであろう見た目に最も近い
・病害虫に強く、実際に観賞用として街路樹や庭木に広く使われている
・田植えの時期である早春に花が咲き、昔から農作業の時期や豊作の指針としたため「田打桜」や「田植桜」と呼ぶ地方もある
・花言葉(「友情」「自然の愛」「信頼」「歓迎」など)がドリアードであるアイドの育む魔力っぽい。
以上のことから、千年前のヴィアイシアに咲いているのがイメージし易かったからです。
あと「コブシ」って名前がアイドの亜流体術と被って面白かったからです。

◆アイドは、この草原の場面を描くなら決戦後の眼鏡と服を脱いだ(キャラデザのインナー1枚)姿が宰相を脱した感があって良いかなと思い脱がせています。原作でも脱ぎ捨てていますね。
 カナミもティティーの階層のヴィアイシアで来ていた部屋着です。
 どちらも同時期のヴィアイシア製ですね。
 薄着にすることで、見た人に風や空気の暖かさ、爽やかさを感じて貰えるように。

◆恒例の花言葉のコーナーは、下に咲いている二輪草(別名フクベラ、ガショウソウ)です。
 二輪並んで咲く姿から花言葉は「友情」、「協力」、「ずっと離れない」。
 それぞれカナミ、木の理、ティティーとの関連性を表わしているようにも思え、また英名で「wind flower(風の花)」、学名で「Anemone(ギリシャ語の「風」が語源) flaccida(柔らかい)」と言い、色々ピッタリかと思ったので。
 加えて、春の山菜として食される二輪草と、致死性の高い毒を持つトリカブト(花言葉に「騎士道」、「栄光」、「人嫌い」など)の若葉は酷似しており、ふたつはよく混生もしている為見分けが困難らしいです。
これも代償により「弟」と「宰相」を見誤って突き進んでしまったアイドと親和性が高いかなと。

◆表題は、音楽をされる方ならよく目にする記号だと思いますが読みは「ダ・カーポ・アル・フィーネ」です。
 10巻がcantabile(歌う様に)morendo(命絶えるように、段々速度を落とし、次第に弱く)という音楽記号から取って付けたので、今回はそれを引き継ぎDa Capo(曲頭に戻って)Fine(終わり)です。
 1000年前の故郷に帰り、姉弟の物語が終わるイメージです。

#Let's Aim for the Deepest Part of the Otherworldly Labyrinth#light novel#Overlap Bunko#Shōsetsuka ni Narō#recommended#いぶそう#dark fantasy#back to back#小説家になろう5000users入り

2019-07-24 15:00:08 +0000