No Surrender 自分なり翻訳

鱶堂 死眠


おまえの目は生よりも多く死を見てきた
 そして最後のページは全てをおまえが描く
おまえの星を覆っている邪悪な影
 何処までも傷だらけの記憶


今、閉じたその眼を
 運命の瞬間に向けてみる
おまえの心には見る事が出来る
 そして新しい希望が花開くだろう…


揺るぎ無い明確な信念
戦う事を投げ出してはいけない
見失った事はない…

心は燃え続けている
今までまだ、諦めた事はない
どんな時も…

骨の髄まで恐れ知らず
主はおまえのその身を作られた…

一人で行く為に生まれた…

未だ誰も成し遂げぬ、
 おまえの燃える心は承知の上


肌が恐怖を感じれば肉が潜り抜けて見せる
 お前に狙いをつけた銃の群れが煙に咽ぶ
凶運の生贄となるまで紙一重
 お次は本物の地獄の業火の直送便


怒りに燃える執念が
 空に向かって撃ち放たれた
誰一人、決して強くはないはずの
 お前を止めるという事が出来ない


信じたまま躍動する
戦いが止まることはない
体に染み付いている…

炎の中、心は
諦めるということを知らずいる
何に対しても…

勇敢で、体の芯まで叩き込んだ
おまえ自ら編み出せる業の達人…

一人で行く為に生まれた…

誰にも真似は出来ない
 おまえだけの完全燃焼

 

揺るぎ無い明確な信念
戦う事を投げ出してはいけない
見失った事はない…

心は燃え続けている
今までまだ、諦めた事はない
どんな時も…

全身全霊大胆不敵
おまえはおまえ自身を作り上げた創造者…

一人で行く為に生まれた…

奴等は決して、
 おまえの燃える心を制する事は出来ないだろう


Your eyes have seen more death than life
And the final page is all you write

最初の一行は一般的高校生程度の学力があれば「お前の目は生よりも数多くの死を見て来た(経験の現在完了)」と読めますし、意味もあまり細かい解釈を加える余地はないでしょう。
英語脳で考えても日本語脳で考えても、人の死を数多く見て来た、生き残る人より死ぬ人を多く見て来たという意味です。

二行目は公式の対訳では「お前が書くのは最後のページだけ」となっていますが、恐らく「最後のページはお前が全部書く」と読むのが正解。

なぜ全部書かなきゃいけないのかというと、他に書く人はいないからです。さっき多くの死を見て来たと言っていましたね。一行一行バラバラの話ではなく、ちゃんと前の行とつながりがあるのが分かると思います。
要は、出だしの二行で「最終決戦まで生き残ったのはお前だけだ」というシチュエーションの説明をしているわけです。
こういう所を読み違えるとどういうテーマの話をしているのか分からなくなり、後半に行くにつれて訳がどんどん変になる、という現象が起きます。

この部分は珍しい単語や慣用句なども使われておらず
大体基本通りにスッキリと読める部分ですので、ここで引っ掛かった訳者さんは原文を注意深く見直す癖をつけましょう。

When the skin is thin and the flesh shows through

thin skin(薄い肌)というのが「恐怖や不安を感じやすい」というイディオムなので前半はその応用表現だと思います。
fleshは肉という意味ですが、「(心や魂と対比して)肉体(だけ)」という意味もあるので
後半は「(頭で考える前に勝手に)肉体が通り抜けて見せる」みたいなことを言ってると思います。

so dire

direには「(状態などが)ひどい」という意味と、「(危険などが)さし迫っている」という、二つの意味があります。
ここでは「とてもひどい」ではなく
前半Victimized by a fate をsoで受けて、「それが差し迫っている」という意味だと思います。

Now a messenger of true hellfire

Nowには「今度は」みたいな使い方があるのでこのnowはそれっぽいかな…?
messengerには「配達人」の意味があります。

unleashed from below

単純に「下から放った」という意味で良いと思いますが、上記訳では「『下から』だったら『上へ』だろう」という心で意訳しています。
「真の地獄の炎を届ける」のも「荒ぶる意思の力を放つ」のも、銃器などで敵を攻撃している表現と考えて問題ないと思います。

Fearless to the bone

to the boneは「骨まで」「体の芯まで」という、「全身がそういう状態だ」という意味の表現です(辞書にも出て来ます)。
ちなみにboneは動詞として使うとめちゃくちゃ勉強するとか修行するという意味にもなります。

They will never own your burning heart

ownは動詞として「手に入れる、自分の物にする」意味がありますが
少し珍しい使い方として「(都合の悪い事実を)認める」という意味や「(勝負などで)勝つ、優勢になる」という意味もあるのでそこら辺で解釈に幅が出ると思います。
あと繰り返し3回中で2回目だけburningまでで終わっていますが、単語が一つ減るだけで意味がかなり変わる場合があります。
「お前の燃える」までで終わってしまうと変ですので、2回目のburningは動名詞として読むべきでしょう。

と、いうわけで今回はビースト・イン・ブラックのセカンドアルバム"From Hell with Love"のトラック11、ノー・サレンダーの歌詞の和訳でした!

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2019-06-30 08:12:10 +0000