ロンリーランナー

こばひろ

ふと目を遣った水鏡に映る君の姿は 巷に溢れるヒットソングに励まされる迄もなく
ぞっとするほどありのままで 紛う事無き君自身でしかないだろう
かつて己の姿に存分に注がれた羨望と期待の眼差しも、畏怖や驚嘆の叫びも
今や全てが遠い場所まで来てしまった事を君は知っている

僕は不思議だったよ
鉄粉の赤錆色に染まった君の脚が、今も猛り轟くのは何故だい
君の窪んだ銀色の目玉が、今も眼の前の景色を見据え続けているのは何故だい

最近ようやく気がついた
ああ。君は随分遠い所まで来てしまったから、世間の罵りも追従の甘い言葉も、今の君には同義の物事なんだ。全ての亡霊を振り切って、君はこの上まだ遠くへ行こうとしているんだ。

君が風のように駆け抜けていった日々の思い出が刻み込まれたこの長い道を
すべての者が疎み 嘲り 罵ろうとも
一顧もくれず走り続けて
負け惜しみという名の、奴等に相応しい晩餐を一杯喰わせてやれ

走れ
真っ赤な孤高に輝く太陽に向かって
永遠という名の栄光になれ

//制作期間は1日(6/27)、原寸122×174mmの絵葉書サイズの作品です。
日本のロックバンド・9mm Parabellum Bulletの“Everyone is fighting on this stage of lonely”という曲に着想を得て描きました。

・・・次回作はかなり“鉄分”多めの予定、この作品もその序章というか予告編のようなものと思って頂ければと思います。

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2019-06-28 12:14:59 +0000