空板(からいた)という、講釈師ならではの言葉があります。
寄席小屋で、講釈師がお客様がまだいらしていない時間に、机を貼り扇で叩き、声を出したりする行為でございます。
野天での寄席場が盛んだった時代にやっていた事なのだそうで、ホール芸能が中心の今はあまり見られないでしょうね。
張り扇を叩く音や発声を聴いた外の人達が、「やってるね」と言って、寄席に入って来る。
朝の稽古と、催し物の宣伝をいっぺんにできる、一石二鳥というやつでございます。
両国から浅草、田原町から上野までの浅草通りは別名仏壇通り。
浅草寺と上野寛永寺、仏と仏を繋ぐという事で、仏像屋さんが軒を連ね、今に至るという事ですね。
店で扱う仏壇は主に北側。
直射日光があまりささない北向きにしていて、商品が傷まないようにという配慮、ビジネスというものでございます。
「最近不景気でねえ」
と丸眼鏡の主の方が言ってましたね。仕事柄、勉強のつもりで伺うのですが、知識欲は働くものの、確かに学校帰りの遊び場や小洒落たデートスポットにはあまり向かないでしょうね。
空板の話ではありませんが、
「木魚でも鳴らして御経でも唱えたらどうです」
と聞いたのですが、
「坊さん呼ぶ金はないし、適当に唱えて宗派の方を刺激したら面倒だ」
とすぐに切り替えされました。
何か良い方法はありませんかね?
中国では老子が向いた方角という事で西。
昔の地図では西の方角が上に配置されています。
だから将軍家の先、西の大阪から来たものは「くだりもの」といって質の良い上品なものとして重宝されたわけでございます。
逆が、日常でもよく使います「くだらない」と、毎日くだらないという人がどれくらいいるかわかりませんが・・・。
このあたりの話は、以前ジョイジョイカムカムホールで話しました、浅草名物絵葉書クイズおじさんが教えてくださりまして。
本名非公開の方なんですが、浅草だったらおじさんに任せてね!とそう言って胸をトンと叩いて咳き込みながらそう言っておりました・・・。
パンパンッ(張り扇の音)
雷門通り、あのあたりについても話しましょうか。
かつては「浅草広小路」と言いましたそうで、ジョイジョイカムカムホールで読みました『浅草風土記』の著者、久保田万太郎氏の生まれたところです。
両国、上野とかつて3つの広小路がありましたが、今あるのは駅名上野広小路のみでございます。
広小路は元々江戸時代、江戸の大半を焼いたという振り袖火事の影響でできたものです。
昔は木造長屋、町の構造上一度火がついたら隣の民家へ次々に燃え移ってしまいまして、建物を壊すしか対処がなかったそうですね。だから広い小路を作ったわけでございますね。
雷門通りには食べ物屋が沢山ありますので、野球部のチームメイトを誘って食べ歩きをした事があります。
中でも猛威をふるったのが、
矢車翔子(やぐるま しょうこ)さんと、尾仲愛(おなか めぐみ)さんの二人でございます。
「お嬢様っぽいものが食べたいですわ!」
「浅草で一番美味しい唐揚げを食べさせて、舞波さん!」
えー、説明しなければならない事が沢山ございます。
パンパンッ!
2019-06-16 02:07:38 +0000