ウルトラマンは、この宇宙の平和を守るために、日々怪獣や侵略宇宙人と戦っている。
仏教で言えば、差し詰め毘沙門天に該当する存在なのだろう。
毘沙門天は、仏教の守護神である天部の人柱であり、
道教においては托塔李天王と同一の存在として扱われている。
四天王の時には多聞天とも呼ばれ、須弥山の四方の内の北を守っいる。
毘沙門天の役目は、仏教の教えや修行を妨げる妖怪や悪鬼を懲らしめ、仏を守ることであり、
その強さから軍神と崇められており、彼の上杉謙信も崇拝していた。
その強さと頼もしさは、どことなくウルトラマンを思い起こさせるような気がする。
さて、ウルトラマンが地球で初めて戦った怪獣といえば、
ファンであれば言うまでもなく、ベムラーと答えるだろう。
ウルトラマンはベムラーのことを
「宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣」
・・・と評していたが、自分にはとてもそんな大それた存在には見えなかった。
精々、小鬼か小悪魔のような存在なのだろう。
小鬼や小悪魔といえば、毘沙門天がよく踏み台にしている
天邪鬼が思い浮かぶ。
天邪鬼といえば、日本ではひねくれ者の代名詞として使われているが、
仏教においては、煩悩や邪心の象徴として
大抵は神仏や武尊に懲らしめられる役回りが多い。
そのせいか、妖怪の世界においては、余り強い妖怪としては扱われていないようだ。
民話によっては人殺しもする奴もいるが、大抵は子供の悪戯程度の悪さが多い。
元はアメノサグメという由緒ある神の一柱だったというのに、
それがこんな妖怪になってしまうとは、時代の移り変わりを感じる。
天邪鬼は、民話ではよく人を困らせたり、デカい事を口走ってはいるが、
大抵は失敗に終わったり、懲らしめられることが殆どだ。
ましてや、毘沙門天相手では点で話にならないほどに弱い。
現実でも、不良少年やらチンピラやらが、人に迷惑をかけたりデカい事を宣うが、
大抵は警察相手には歯が立たないことが多く、点で頼りない。
それはまるで、天邪鬼と毘沙門天のようだ。
ネット世界でも、まるで不良少年やチンピラみたいな人間はいるが、
そんな彼らに、一度毘沙門天をぶつけてみたいものだ。
2019-06-09 01:56:48 +0000