【ラララ】ベガ【主人】

やひら

「夜は苦痛なんだ。なにも見えないのに、眠れもしない。
 でも君に出会えたから、待ち遠しい時間になるかもしれないな。そうだろう?」

ララ・ドールの子守歌illust/71777311

❖ベガ(Vega)
 26歳|男|170cm
 一人称:私|二人称:君、私のカシオペア

人形師の両親を持つ有翼種の青年。ハーフのため羽が小さい。
ズボラな上に生活能力が皆無に等しく、一人だと食事もろくにとらない。
本人的には、一日中のんびりぼーっとしたりうたた寝をしていたいので、特に困ってはいない。
人形師になるつもりはないが、なんとなく両親の仕事を手伝っているのでララに関する知識だけは豊富。
そのため理想が高すぎて納得できるララに出会えていなかった。

素敵なご縁をいただきました!(6/11)
ファロさん【illust/75103988】(名付けさせていただきました)
苦手な夜を過ごすために欠かせないランプ。
その材料を求めてふらりと入ったはじめての雑貨屋に、そのララ・ドールは眠っていた。
真新しいものしか見てこなかった自分にとって、中古のものはそれだけで珍しい。
その特殊な作りも聞いたことがなく、初めてララに興味を持った。
生まれてはじめての『ララ・ドール』 これでぐっすり眠れたらと、そのときはそれだけの気持ちだった。

「はじめまして、私のカシオペア」

目を開いたララの瞳は燃え盛る炎のような色をしていた。
ああ、ぴったりな名前をつけてやれたなと思う自分はひどい主人だろうか?
この子が炎を怖がっているだろうと知っていて、火の名前を与えたのだから。

「変わったララ、か。私も変わり者だからお揃いだな。
 変わったマスターと変わったララ、相性が良さそうじゃないか?」

不思議そうな顔で自分を見つめる篝火に、けれど事細かに説明はしない。
こうして何もかもを面倒だと放り投げる自分を見限って離れていった者は少なくないけれど、この子だけは絶対に離れていかないだろうと、根拠のない自信があった。
それは、このララが主人をなくしたララ・ドールだったから? ……いいや、たぶん、そんな理由ではなかった。言葉では言い表せないそれを無理やり言葉にするのなら、――そう。

"ファロ"、闇夜を照らす私の篝火。
底のない暗闇から救い出してくれる、私だけのララ・ドール。

理由なんて、それだけで十分だろう?

――夜が来る。暗闇は平等に、誰にでもやってくる一日の終りだ。
眠っても闇、眠らなくても闇。そんな時間を誰が心待ちにするだろうか。
それが、私の夜だった。今日までは、……いや、昨日までは。
だってほら、今の私には篝火がついている。
そうだろう、私のカシオペア。

見上げた先、椅子にちょこんと腰掛けたララが唄う。
それはまさしく"篝火(ファロ)"で、悪夢に怯えていた昨日までが嘘のように、私は安心しきった子供のような気持ちで眠りについた。
悪夢も、暗闇も、一人の夜も、すべてがこんなにも簡単に消え去ってしまう。
眩しすぎる満月でも、力強い太陽でもない、ほんの小さな"カシオペア"が、私にとってのひかりだった。

「……ああ、こんなにすっきりとした目覚めはいつぶりだろうか」
「おはよう、私のカシオペア。ほら、顔を見せて。おはようのキスをさせてくれ」

目覚めてすぐ、私の顔を覗き込んで笑ったララに手を伸ばす。
されるがままのララを抱きしめてベッドに引きずり込めば、あたたかいひかりの匂いがした。

ほら、私の予想は間違ってなんかいなかった!

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2019-06-01 03:20:22 +0000