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ポニ島の南部に突如として広がった氷海。その調査のため、ナルカミとジュンペイは氷塊の海底にあるという神殿に足を運ぶ。
先に入ったボウケン者の情報曰く、ここでは過ぎ去った過去の幻影が現れるという。それは失った大切な友、家族、恋仲。ナルカミにはまだその様な現象は起きていないが、同行者に声をかける。
「ジュンさん、ジュンさんはどう?」
「なーんも見えねえや」
どうやら向こうも変わらない様で、同じく所々凍りついた壁と床、殺風景な神殿の中のようだ。今のところ、困っているボウケン者も見当たらない。このまま何事も無ければいいのに。しかし、そうは行かないのが世界の常だ。
「あ、」
開けた空間が見える。前方に毛色が違うニンフィアの姿が視界に入った。首元には出掛ける前に巻いていたピンクのマフラー。
「ヨナガちゃん!」
見知ったポケモンと出会い、ナルカミの心も浮き足立つ。早足で駆け寄ろうとして、
「……」
その触角が、赤い色に染まっているのに気づいた。そして彼女の近くに、倒れているポケモンの影が見えた。速度を落とした足が今度は違う理由で速まる。
「復活のタネある?!」
「え?!ああ、あるけどよ、それが…」
叫ぶような声にジュンペイが目を丸くする。遅れて事態をおおよそ把握したのか大きく頷くと、首元のマフラーからタネを取り出して、床に倒れ伏したポケモンの口に入れた。それを見届けると倒れたポケモンとの間に立ち塞がるように、ナルカミが巨軀を構えた。
「ヨナガちゃん……オレの事、分かる?」
アーカラ島でもウラウラ島でも、最近ではメレメレ島でも新大陸を発見する度に、島全土に何らかの影響を及ぼす神と祀られるポケモンがいた。今回も〝それ〟の影響なのはほぼ確定だろう。彼女が自分の意思でやったという可能性は低い。対話で正気に戻ってくれればいいのだが。
じっと彼女の一挙一動から目を離さず、問いかけた。
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お借りしました展開
既知【illust/74350599】
お借りしました
ヨナガちゃん【illust/72956450】
ナルカミ【illust/72234992】
ジュンペイ【〃】
不都合ありましたらパラレル・スルーお願いします。
フェアリータイプのポケモンを描写しておりますのでBOSSタグをつけています。
2019-04-28 13:45:36 +0000