「ポケモンでもなければ!ニンゲンでもない!!骸に取り付き、ポケモンの姿をしてるだけの!!ダークマターなのだ」
暖かい服を準備しようとヘプルを走り回っていたら聞こえてきた声。
フェルヴェンテおねえちゃんのものだ。
あぁ、そうだった。ダークマターの勢力が弱まってるってことは、ダークマターが消えてしまうっていうことなのかもしれないのか……。
考えてなかったというよりは、ただの災害のようなものだと思ってた。ダークマターに意思はなくて、ただ汚染する物質。そうだったらどれだけ良かったか。
死者の体を借りていまを生きるフェルヴェンテおねえちゃんの悲痛な声は、きっととても孤独で、とても怖くて。
「……それでも、ぼくはきみを愛してるよ」
彼女の覚悟は本物だ。きっとどんな結末も後悔の一つもなく受け入れるだろう。でもほんの少しだけ。ぼくのわがままで伝えたい言葉があって。扉をゆっくりと開けると、フェルヴェンテおねえちゃんと、エイキおにいちゃんの視線を受ける。そのまま形の安定しないフェルヴェンテおねえちゃんを優しく抱きしめる。
「……ぼくはきっと、ダークマターがなかったら変われなかったと思うの。……今のぼくがあるのはダークマターのおかげでもあるんだ」
「シュガー、聞いていたのか……?」
「むしろあの大声で聞こえないはずないじゃんか。ただちょっと一言だけ言いたくてついね。……ぼくはきみを愛してるよ。フェルヴェンテおねえちゃん、きみ自身を愛してる。……だからこそ、ぼくはダークマターにもう一度向き合おうとおもう」
「シュガー?何を言っているのだ、シュガー!ダークマターの危険性は我がよく知っている!危険だ!!」
「……大丈夫。ぼくはダークマターだって愛してるもの♡」
ロードノック、そこにいけばあるはずだ。ここの影響を受けるための、ぼくのタイプを変えるとくせいが。真正面からもう一度、ぶつかってやろうじゃないか。
こちらの展開(illust/74298995)で聞こえてきた声によりシュガーはあえて影響を受けやすくするため『へんしょく(こおり)』の効果のマフラーを身につけています。
お借りしました
フェルヴェンテさん(illust/72315962)
正面からのタイマン(illust/74184331)
2019-04-21 05:32:31 +0000