「おーい!えりか!」
聞き慣れた声を耳にして、えりかは声のする方を向いた。
「あっ!? お兄ちゃん!」
「いよいよだな…4年の選抜リレー
今年も同じ紅組だしお互いアンカーで頑張ろうな!」
さとるの激励にえりかは頷く。
「でも、お兄ちゃん…同じ紅組でも、私お兄ちゃんに負けないわ。
徒競走に続いて、2つ目の一等賞を取ってみせるから。」
同じ紅組でも、えりかは4年1組、さとるは4年3組。
所属するクラスは違うので2人は別のリレーチームである。
「しかし、1組の男子は何やってるんだか…
女子に1組のアンカーの座を取られるなんて…
4年~6年のチームでアンカーが女子なの、お前のクラスだけだろ?」
選抜リレーは各クラス男女3人ずつ合計6人が出場する。
走る順番は各クラスで自由に決められ
それを含めた駆け引きが、この名無子小運動会の選抜リレーの醍醐味になっている。
しかし、アンカーにクラスで1番速い選手を持ってくるのはセオリーで
事実、えりかは男子全員を押さえて、クラスで一番速い50M走タイムを叩きだしていた。
「ひどーい!お兄ちゃんっ!
私がクラスで一番速い事を褒めてくれれば良いのに~!」
クラスの友達をバカにされたえりかは、さとるに頬を膨らませて抗議する。
「あ、あ~悪い悪い…そ、そうだね。えりかは凄いよ、うん。」
「分かればよろしい♪」
さとるの言葉に機嫌を直したえりかは赤い襷(たすき)を掛け、向こう側の練習用の広場に歩いて行く。
すると、バトンパスの最後の練習を終えた1組の他のリレーメンバーに声を掛けた。
「みんなー! 集合ーっ!」
1組の6人は1カ所に集まり円陣を組んだ。
「よーしっ!みんなっ!
絶対一等賞を取るわよ!」
えりかが激を飛ばすと、他の5人も元気よく応える。
「おーっ!」
チーム1組は気合十分な雰囲気で入場ゲートに向かっていった。
(一番速いだけじゃなく、チームを引っ張っているなんて…えりかの奴も大したもんだ…。
おまけにブルマ姿も可愛いし…)
さとるはえりかの姿に感心しきりであった。
【終】
【あとがき】
今回もいまでん様(user/12273)主催のイベント「ナムコギャルズ体育祭」に参加させて頂きました。
平成も残りあと僅かになり、昭和はますます遠くになりにけり…
「えりかとさとるの夢冒険」が発売されたのは昭和63年。
えりかちゃんは所謂「昭和の女子小学生」…
『スカートの下のブルマ着用』は確定で『体操服もブルマを着用している』
…という公式設定は無いが、自分でそう勝手に決めても良いくらいに
ブルマは昭和末期の女子小学生にとって定番のアイテムでしたね。
『美少女小学生のシャツINブルマ姿』は『昭和の可愛い』の象徴で最高級の芸術です(キリッ
その素晴らしさを平成の時代だけでなく、新時代の令和でも伝えていけたら良いかなと思っています。
今回もDEV様(user/297859)より定番の素晴らしいロゴをお借りしました。
有難く使わせていただきました。
使い方は前回のブルマアリスの時と同じです。
2019-04-20 15:00:43 +0000