異界に返り咲く彗星の心――ティアナ

七瀬スカーレット
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■「台枠を痛めて車生(じんせい)終えたのに『じゃあまた造りなおせばいいよね☆』とか、最高に意味が解りませんわ。……そんなこと、願っても許されないと思ってたのに」

■台枠は、心の命である。
他がどれだけ健康体だったとしても、台枠を傷つけてしまえばそこで車生は終わってしまったようなものである。
だからこそ、心は台枠を傷つけぬように生きるのである。

でも、私はそれを痛めてしまった。
失意のうちに、私の車生は終わりを告げた……はずだった。

ある時、心にしか見えない死神が表れて、『弊社で再就職しないか』と言ってきたのである。
台枠を痛めてしまったから無理だと告げると、『なら使える機器からまた造りなおせばいい』と言う。

最高に意味が解らない。

望んでも許されるはずのない事を、死神は平然と言ってのける。
そうして言われるがまま導かれた先には――死んでいったはずのお姉さまたちや、元同僚が平然と走り続けているではないか。
これは夢なのかと疑うも、つねった頬は普通に痛む。これが世に言う『異世界転生』とかいうやつなのか。

――そうして、私。ティアナ・"コメット"・メルクリウスは、ティアナ・"コメット"・メルクリウス・『アルトワーク』として、異界で再び走ることになったのだ。

■M3910系
世渡世界デュオ・ハーモニア界都のアルトワーク管理局がとある世界線の鉄道から導いた展望電車。『M』は故郷となるメルクリウス鉄道の頭文字。
元の世界に留まる2両を除く6両がアルトワーク局に導かれ、最後に転入した1両は台枠損傷のため元の車体を種車として再新造されている。
アルトワークで新設計された中間車を組み込んだ6~8両で管内の観光急行に充当される。
このほか、銀河本線直通急行『スターリー・エクスプレス』『スターリー・パレード』に連絡するリレー急行『スターリー・アクセス』の運用を持ち、二つ先の世界にあるフォルクローレまで足を運ぶことがある。
観光色の強い本形式が『スターリー・アクセス』運用に抜擢された理由は、ずばり「あの子たちモチーフ星だし」である。

■……と言う訳で、久々のヘビーレイル枠は異世界で廃車解体されていった車両をこっそり引き取った組、いわゆる『拉致』によってRSCRに仲間入りした方です( ̄▽ ̄;)
故郷はお世話になっているこばひろさん(user/17045592)ちのメルクリウス鉄道。ティアナは台枠を痛めて廃車されていった観光電車397号その人です。

アルトワークは人間と獣人(=獣耳をもつ種族)が融和する世界『デュオ・ハーモニア』の世界首都。
仲間はずれを嫌うRSCRの方針もあってか、MRを引退していった車両たちはみんなまとめてアルトワークに導かれているとか……?

■心にしか見えない死神→(illust/43851660)(※ホントは死神じゃなくて機械の心)

#リオ・ストラトス連界鉄道#機械の心#Railroad Anthropomorphization#imaginary railways#メルクリウス鉄道#こばひろさんのオリジナル#ティアナ・"コメット"・メルクリウス・アルトワーク

2019-04-15 14:49:51 +0000