さる旧世界に於いて
永劫を背負う囚人が居たと聞きます
旅路の果てに彼の時は進み
大樹のもとにようやく、
穏やかな眠りを得たとのことで御座います
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囚人番号137。
世界の渦に引き込まれる形で安寧の座から引き剥がされたもの、
生を彷徨う亡霊の一。
とうの昔に肉体は朽ち果てており、
現在の姿は魔の残滓が生前の姿を模したに過ぎない。
死が再び四肢を掴み
かりそめの臓腑を握り潰すまでの僅かな時間、
かつて触れたはずの温かい手を静かに探し歩く。
それは此処にあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
いずれにせよ、黄泉は彼を連れ戻すだろう。
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自宅用ファンタジア2。異世界タグに便乗したかったと供述しております。
【illust/34118595】(リンク先は旧アカウント)
2019-04-07 16:01:33 +0000