はい、やらかしました。気付けばキリほのサイト消失(苦笑)。
3月いっぱいでyahoo!ジオシティーズサービス終了してました。下書きデータそのものはどっかにあるとは思いますが、yahoo!のURLに関連付けられているので、別HP作ってHTMLのタグを打ちなおしイラストURLと文章の関連性を復帰・・・ってやるのは保留中。サイト需要ないし。否キュアぱずで忙しいし!(公式絵と声の破壊力)。
2021年6月追記:一応壊れたまんまのデータお引越し先を載せておきますが、再出発はいつになることやら…
http://prettycurenmama.extrem.ne.jp/introduction.htm
(トップのフォントが何故か標準にならないので挫折気味)
ひとまず「ほのかさんお誕生日おめでとー!」ってことで消えちゃったサイト絵でも一時載っけててみます。オマケに描いた記憶もない絵とか。古いサイト用のは容量節約しまくってるので小さいです。
テストあげ。
配達の途中、ふと足を止める風景に出会った。
「・・・こんばんは。」
「びっくりした。キリヤ君。どうしたの?」
時計はあと小半刻ほどで日付が変わろうとしている。
「空から明かりがついているのが見えたんで。」
「え、ええ。ちょっと。・・・明日のことを考えていたら、寝れなくて。」
そんな気はした。彼女にとっては1年一度の・・・期待で寝付けないのも無理ない。
「じゃあ、10分ばかり花見に付き合ってくれませんか?」
「え?いいけど・・・。待って。せっかくだから聴診器※とか・・・。」
「不要ですよ。ホンの数分ですから。」
考える間も与えず一瞬で上昇した。
弓月のほの暗い夜。高台の桜の上方へふわりと彼女を浮かべる。
開花のせいで枝が棚のように2段に重なり、上を向いても下を向いても、桜しか見えない位置。
「・・・どうです?」
「桜のベッドに埋もれているみたい・・・。」
彼女の瞳が輝く。
「・・・きれい・・・。」
恍惚とした表情。企みは成功したようだ。
「じゃ、もう行きますか。」
「もう?」
「ええ、人目についたらまずいですから。」
そしてまたいつもの屋根の上。
「素敵な場所を教えてくれてありがとう。」
「いや、鼻を明かしたかっただけです。」
「なぁに、それ?」
鼻を明かすという言葉を奇妙に感じたか、彼女がクスクスと笑う。
「道具持ち出すと薀蓄ばかりでしょう?たまにはぐうの音も出ないくらい花のきれいさに浸ったらどうなんですか。」
「“ぐうの音”って・・・せめて“言葉を失う”って言ってよ。」
僕の言い回しに面白がって吹き出す。
「失礼ね。そこまで無感動じゃないつもりよ。昔に比べると淡白かもしれないけれど。これでも・・・小さい時の夢は花屋さんだったの。うん、つい名前や樹齢やら調べて分析しちゃうのがもう癖ついているわね。確かに。」
いつものロマンの通じないほのかさんに戻ってる。
「こう感動が薄い女性だと、求婚する男は苦労しそうですね。燕の子安貝だの竜の宝玉だの・・・。」
『竹取物語』という昔話を思い出した。手の届かぬ、異世界の人。
「そこまでひどくないわよぅ!本当に大事な人からは何もいらない・・・、そばに居てくれるだけでそれが一番のプレゼントなんだから。」
“そばにいるだけで”か。明日は彼女のご両親が一時帰国する日。
彼女は大切な家族のことを言っているんだよな。だけど・・・。
その大きな瞳が潤んで僕をとらえ・・・まるで僕に向かって言っているような錯覚を起こしそうだった。
こんな日になに嫌味や当てこすりばかり言っているんだか。
素直じゃないのは僕のほうだ。
「・・・あ。あーあ。12時、過ぎちゃいましたね。・・・誕生日、おめでとうございます。」
「ありがとう。うれしいわ。」
僕の意図を全てわかっていたかのように彼女はまっすぐ僕に向かい。
花のような笑顔で僕に微笑んでみせた。
(※聴診器は本編で、木が水を吸い上げる音を聞こうと部活動でみんなで使っていました。二人きりでお医者さんゴッコとかそんなんじゃないYO!)
2019-04-04 01:13:09 +0000