「ギニウス殿、助太刀いたしますぞ!」
孤軍奮闘する老兵を見つけ、敵を切り払いながらそばへ駆けつける。
とその目の前をひらりと小さな白い物が横切った。
花弁かと思ったが、違う。
雪だ。
近くにいたエルダーグランの兵が息をのむ。
その理由を続く狼の遠吠えで理解した。
魔狼の引く巨大な城。
音に聞こえた、ノーザリアの牙、ヴィトニールだ。
先の戦場ではその威容を見る事は無かったが、此度はこちらの戦線へ来ていたらしい。
「ギニウス殿」
まだやれるかと言外に問うと重装の老兵は兜の奥の目を光らせ、いつものように豪快に笑い声をあげて答えた。
「相手にとって不足はなし。ノーザリアの牙へし折ってくれる」
「ぬははは!それは重畳」
こちらも笑い返して剣を構え直す。
周りでは活気づくノーザリア兵に加え、
上空を飛び回っていた白竜の首の化け物も寄って来ている。
カバンの中身がコトリと小さな音を立てた。
つかの間ここにはいない者の事を想う。
里に置いてきた一族の事。
仲間想いで努力家な魔族の娘の事。
先の戦で散った戦友の事。
身を削り霊薬を授けてくれた一角獣の友の事。
戦の前に姿を消した黒髪の少女とそれを追った仲間たちの事。
彼らの為にも必ず、この戦の先へ辿り着く。
必ずだ。
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こちら【illust/73925278】が来たので助太刀に・・・・!
しかしちょうど共闘したいなーとだけ思って描いてたものに急遽手を加えた感じなので、何か敵を増やしてしまった気しかしない・・・・いつもの如く良い感じのところだけ拾ったりスルーなど都合の良いように扱って頂ければ幸いです・・・。
■お借りしました↓
ギニウスさん【illust/72993892】
ヴォイドカース【illust/73784617】
傭砦狼城ヴィトニール外観【illust/72937831】
一章に一度は巨大なものを描いておきたいファンタジア。
非公式イベント
白の災厄討滅戦【illust/73784617】
■ネズミ剣士アルバート【illust/72938275】
■作品内の展開はキャラの行動などを制限するものではありません。不都合などありましたらパラレル&スルーでお願いいたします。その他問題がありましたら連絡を下さい。
2019-03-28 19:52:03 +0000