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ついに来ちまった…「巨影殺し」が。
この長い戦でもしょっちゅう伝え聞いたデカい奴ばっかりぶっ倒しやがるハチャメチャな野郎ども。
いつかあの人(illust/73124885)が標的になる日は来ると思ってた…っつうかここまでやったらそりゃ来るよなぁ!?
でも、少しもお前を通そうとは思わねえんだ。
街が燃えてんのは確実に主犯(illust/73778321)で言い訳出来ねえし、あの人はあんたと戦える事をそりゃあ喜ぶだろうけど。
俺は、あんたの邪魔をする!
ほんの一瞬だろうが、付き合ってもらうぜ!
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殴り合いは一方的なものだった。
巨影殺しが一撃放つ度に男は倒れる。
男は倒れる度にふらつきながらも立ち上がった。
巨影殺しはまた一撃を放ち、男は倒れ、また立ち上がった。
男の持つ防具も鎧もことごとく歪み、持ち主の肉を抉る重しとなる。
しかし男はまた立った。
巨影殺しは淡々と男を打ち倒し続ける。
巨影殺しは倒れた男を振り切り、退く事はしなかった。
撃たれ、倒れ、撃たれ、倒れ
男が巨影殺しの拳に合わせ盾を振りぬくと
それははじけ飛び、ついに戦いの決着がつく。
筈だった。
巨影殺しの拳を止めた男は、燃えていた。
借り物の力に命を注ぎ陽炎が如き刹那の炎を纏っていた。
人生にしてひと瞬き、撃ち合いにして百七十二合。
拳による均衡は破られ、男は瓦礫に潰れ灯は消えた。
巨影殺しはそれを見送ると、巨影が蔓延る街の中へと去って行った。
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お借りしました
砕撃のソルバさん「illust/72951881」
2019-03-28 11:18:28 +0000