信じて 託して みんなの帰る場所を温めて待つこと
武器を 魔法を 力を振るって 戦場で戦うこと
どっちもできなかったボクは
半端なまま ただできそうなことを考えて 飛び出して
結局 たいした役には立てないままで
空虚が胸に広がって
それがひどく腹立たしくなって
そんな場合じゃないと頭はきちんと理解を示して
理解
理解とはなんだ
いったい自分は
(何をわかっているつもりだというの)
答えは 今も 見つからない
「難しく考えなくていいと思うのですよ」
星詠みの美しい人がそう口を開いた。
「できること。すべきこと。それよりも、貴女がしたいことはなんだったのですか?」
ボクがしたかったこと。
今、したいこと。
「……守りたい」
「魔王様を。皆を」
「誰も彼も、何も、失くしたくない」
それだけは間違えることなく確かなもの。
……今。
この時。
大切な仲間と。愛おしい人々と。失くしたくない場所と。
何者にも隠さずに「故郷」といえる世界を守る。
そのために、この瞬間に、「力」として動きたかった。じっとしていることだけができなかった。
それが、この身に溢れる素直な衝動だ。
母がくれた血と教え。強くありたいと願う欲。
けれどそういう衝動と並列して存在するものがある。
信じ、願われ、大切だと示してきてくれたものに応えたい。裏切りたくない。
(ボクがボクのまま。生きていることのほうが、きっと)
(『何も掴めない』と決められた手でも、それでも、守れるものはあると示したい)
今 力なくて
あなたたちと
誇らしく 愛おしいあなたたちと
共に並び立つことはかなわないボクは
ボクは せめて
◆
エラノールの背に乗って、星詠みの導きに従って、戦場を後ろへ、今は遠いあの城を背にした本陣へ駆け戻る中で、見つけた仲間達に声を届ける。
「必ず!迎えます!」
「あなたたちが帰る場所を守って、待ちますから!」
「だから!」
「勝って!!生きて、戻ってきて!!」
そう、強欲に願う。
◆◆◆
答えは出ず、何をなせたわけでもなく、誰かを救えたわけでもなく、ただあがいてもがいて叫んで託すしかできなかった。
そういう子がいた、という締めでもいいかな思い、こういう形で窯の飯仲間を中心に同陣営の味方へ戦場支援を撒きつつニフは後退いたします。
ニフはまあこう言ってはおりますが、皆様それぞれ命の燃やし方はあろうと思いますのでまったく気にせずに!!
窯の飯タグを使っていただいた皆様、ありがとうございました。少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。
取りこぼしたもの、拾いきれなかったもの、まとめたいもの、答えたいものはまだたくさんあるのですが、戦時中にニフ側でまともにできそうなことはおそらくこれが精一杯になりそうです。
いただいた交流と物語の締めは流れと結末の様子を見てアフターを視野に入れてゆっくりやるつもりです。
それでは残りわずかになりましたが、エルダーグランがんばりまっしょい!
イーちゃんが待ってるオウチを守りたいぞー!
◆
参加非公式イベント 黄金舞う戦場【illust/73773934】
◆
お借りしました(敬称略)
また勿論、各々の動きに制限や介入を強制する意図はありませんので、適宜パラレル扱いをお願いいたします。
ルシフ【illust/73130363】
“邪眼抱く蛇”イルベラ・エヴァナド【illust/73119018】
エニス【novel/10695478】
箒星のルルとガガ【illust/72951546】
嘆き川のヘンデ【illust/73012535】
星詠みのリオロ【illust/73311906】
公式よりエルダーグランの魔王エレバス【illust/72287104】
自キャラ
中途半端に賢しく中途半端に大人にもこどもにもなりきれず 魔族の血の気の多さや闘争心、誇りなんかと欲の強さが混沌とブレンドされて、
結局全てが半端で無力なまま、同族の未来を決める時代に居合わせた そういう話…でもあり
弱掌のニフ【illust/72939644】
2019-03-26 11:07:35 +0000