※当作品は、他のお子様方の行動を縛るものではございません。問題等ございましたら御一報いただければ幸いです。
ばさり。
突如としてカナエの背後でたなびく深紅の団旗。
「ヒトが悪いねぇカナエちゃん、抜け駆けかね?こんなキヨミズダイビング級の大舞台にアチきを呼ばないなんて」
「えっ、キミーさん……ん?」
振り向く彼女の名を呼んだのはキミー……なのだが、何やら様子がおかしい。
「き、キミーさささ、か、顔!?あ、あと、頭ぁぁあ!?」
「……おや?あぁこれかね。頭に生えてきちまうと兜が邪魔になりんすよ」
見知ったものとあまりにも違うキミーの顔にカナエは驚愕した。
傾奇者の頭には鬼族を象徴する角が生え、
顔には化粧道具で拵えたかのような真っ赤な紋様の痣が浮かび上がっていたのである。
キミーが鬼としてのリミッターを解放した時、頭に角が生え、顔には戦達鬼の証である『クマドリ』と呼ばれる朱色の痣が浮かび上がるのだ。しかし力の解放はあくまで火事場の馬鹿力、退っ引きならない事態を凌ぐ緊急時の切り札。そう長く持つことは先ずあり得ない。
「今のアチきにゃあ『背負うもの』がある……」
『生きて帰る』約束を交わした戦友。
再戦を胸に誓った強敵。
男っぷりに思わず惚れた侠客。
深紅の愚連隊としての誇り。
そして、傾奇者としての自分を受け入れてくれたこの火の国の都。
自分と人生を交えた全てのものを、意地と矜持を以て背負うのだ。
背負うモノが重ければ重いほど、ヒトは強くなる。
「いいかい、一度しか言わないでありんすよ。カナエちゃん、アンタの神通力のありったけ、搾りカスも出てこないくらいありったけをアチきにぶつけるんだ。それとアチきのありったけの闘気を合わせて、あのデカブツをひっ叩(ぱた)くよ」
「でも、そんなことしたら……!」
カナエが止めようとするのも理解できる。キミーがやろうとしていることを実行に移せば、彼女が無事でいられる確約は無い。
「アチきはね、誰が天下を取ろうがちゃーんと治めてくれれば何でもいいと思ってる……けどねぇ、力の使い方も知らず、恥の意味も知らず、我が物顔で弱い者を平気で踏みにじるような、あんなデカブツみたいな輩で溢れかえる世の中は、真っ平御免でありんす。だからアチき達で止める……ふたりもいるんだ、なんとかなるとは思わないかね?」
しかし、ズィーゲンドラッヘの重量級戦力のほとんどは因縁深いノーザリアのギルド・ヴィトニールやクワイエントとの血戦を郊外で繰り広げている。このままでは、街が傍若無人の巨竜に蹂躙されるのは時間の問題。
自分の背中で背負えるだけ背負ったキミーの曇りなき眼(まなこ)を目の当たりにしたカナエに、断り続ける理由など思いつきはしなかった。
「キミーさん……わかりました、絶対死なないでくださいね!!」
イメージBGM
What Planet Is This!/シートベルツ
https://m.youtube.com/watch?v=YA4P1A3jtu0
カナエちゃんはカリオペ君と幸せにならねばならない大事な任務があるんじゃー!
というわけで傾奇者・真っ向勝負のエンカウント!
なんですが既にヘルプがありました!
illust/73872936
illust/73872917
支援側の皆様のご都合が悪い際にはパラレルでも致し方ないと思っております。
なんか若干や外見に変化がありますが、皆さんの考えたカッコいい覚醒シーンで脳内補完していただければ幸いです。
お借りしたお子様
アザミ・カナエちゃんillust/72977621
圧壊のストラフモロト様illust/73788980
非公式イベント
消えぬ御旗の下にillust/73771111
紅蓮の軍勢illust/73772664
巨いなる者たちの黄昏illust/73774444
なにやらでっぱったよー!な我が家の傾奇者キミーillust/72988868
2019-03-25 15:34:20 +0000